「天上快楽」

煌びやかな世界。私はその中心にいた。周囲には私を囲むようにいる美男子達。そして,右の横には私の愛おしい存在が一人。

「愛している」
 熱い抱擁。それがトリガーとなり,私は声を上げた。

「この店で一番高いボトル下さい!」
 宣言すると周囲から拍手が湧き上がる。一番高いボトルは百万円だがそんなの気にしない。

 彼が私を見てくれるなら。私は飲んだ。彼とひたすらに飲んだ。

 周囲からの賞賛、羨望、彼からの愛。それらを飲み込むように。

 数時間後、百万円が道端の排水溝に消えた。

いいなと思ったら応援しよう!