「大爆走飲兵衛」
多くの飲兵衛達が千鳥足で歩く休日の繁華街。僕は障害物のように並んでいる飲兵衛達をアメフト選手のように抜いていた。僕も数時間前までこの繁華街を練り歩く飲兵衛の一人だった。
しかし、嫁からのお怒りメッセージを受信して、現実に引き戻されたのだ。
駅に着いた。終電だというのに多くの人で賑わっていた。いや、終電だからこそ人がいるのだろう。
終電が見えた。あと少しだ。耐えてくれ。
そして、やっとの思いで終電に乗った。何度も荒い息を吐いて、体を落ち着かせる。
「着いた」
終電に乗れた実感と同時に強烈な吐き気を催した。