「夏の夜」

 夜の街を散歩していた。夏の夜の生ぬるい風を感じながら,静まり返った街を観察する。日中は人で賑わい,活気あふれる商店街も夜になればゴーストタウンさながらの寂しげな空気が漂っている。

 しばらく歩いていると見知らぬスーパーがあった。普段行かない場所ということもあり、スーパーがあるなんて知りもしなかった。スーパーの中に入ると辺りだが普段行くスーパーとは内装も品揃えが異なっていた。

 ある程度、見て、お菓子をいくつか購入してスーパーを出た。新しい場所に行くということになった自分の中での世界地図が広くなった気がした。

 仕事で疲れて帰る夜はただの風景に過ぎない。自分はこの時間まで汗水を流したのだと言う事の証明にしかならない。働きすぎると夢を忘れてしまうのでよくない。

 スーパーで買ったチョコを口に入れて、夏の緩い夜風を浴びる。相変わらず生温い。

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