「実装」

「来い!」
 血を血走らせながら、スマホゲームの画面を眺める。今はガチャの時間だ。好きなキャラが実装されたから是非とも狙いたいところだ。

 派手なエフェクトの後、キャラクターが出て来た。

「くそ!」
 欲しいキャラが出てこなかった。僕は再度,回した。

 来ない。何故,推しが来ない。推しの為にゲームを始めたと言っても過言ではないというのに何故来ないのだ。僕は課金してさらにガチャを回した。

 ついに当たった。僕は歓喜した。二十六歳アラサーの男が一人、部屋の中で叫んでいる。側から見ればクスリでも決めてるのではないかと思うくらい異常な光景だ。

 来月からしばらくもやし生活だな。

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