「解体作業」

燦々と輝く太陽の光を浴びながら,家の近所を散歩していた。すると近くから大きな物音が聞こえた。重機が古びた家を壊していたのだ。

 周りには作業着姿の男性達がいて,重機に習って破壊活動を手伝っていた。そう言えばここにはお婆さんが娘さんらしき人と住んでいた。

 ひょっとしてそう言う事なのか。少し失礼なことを考えながら,壊れていく家を見ていた。

 見た感じ築年数はかなり経っていた。きっとここにはたくさんの思い出があるのだろう。喜怒哀楽が染み付いたから壁や床や柱。それらが音を立てて,無くなっていく。

 立てるのは時間がかかるが終わる時は一瞬だ。ここにいたお婆さんは幸せだったのだろうか。

「すみませーん。差し入れですぅ」
 住人だったお婆さんがいた。その手にはコンビニの袋があり,たくさんのペットボトルが入っていた。

 僕は恥ずかしくなり、足早に立ち去った。

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