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御相伴衆~Escorts 第一章 第十二話 柚葉編②-b「身体と心、嘘と真実b」           (心の真実編)

🌟このお話は、前回の第十三話柚葉編②-a「身体と心、嘘と真実a」(身体で大嘘編)に対応しています。随所に、aのお話に、柚葉の本音(太字)が織り込まれていています。①-aとの比較をお楽しみください。後半に、①-aになかったシナリオが付け加えられていますので、そちちは、お見逃しなく頂けましたらと思います。



 素国の高官接待から、スメラギに戻ったその日、中庭で、数馬たちと過ごした、その夜、当然の様に、二の姫 美加璃ミカリは、俺の部屋に、押しかけて来た。

 彼女を導いて、「奥許し」をした時には、既に・・・。恐らく、三人の姫の中では、一番、母親に似ているのだろう。求めが強く、明け透けで、こちらが退く程、積極的だった。母親の目を盗んで、「恋物」も、大人用の紫色の本を取り寄せ、既に、読み漁っていたらしく、頭の中は、それでいっぱいだったらしい。・・・まあ、俺と離れていた、ランサム留学では、終始、警備の目が行き届いているから、現地の学生と、どうなるとは思えないが、・・・でも、わかるよ、やっぱりね。驚かされたよ、ああ、心の中でもね、言いたいけど、まだ、言わないでおいてあげるよ、二の姫様。クスクス・・・。

「柚葉、どうしたの、笑ってるの?」
「ああ、貴女の前では、隠せませんね・・・」

 俺は、つい、口元を隠す。ちょっと、それで、隠してる心算なのかな?笑えるんだけど・・・。鎖骨のとこの痣・・・数日前に、ご帰国されましたから、少し、消えかかってるのでしょうか?

「ひょっとしたら、・・・私と同じ?」
「・・・そうでしたら、僕も嬉しいのですが・・・」
「とっても、とっても、会いたかったの・・・」

 取り縋ってくる。見つめてやり、強く抱きしめてやる。

「そうです。僕も、貴女にお会いしたくて、堪らなかった」
「ああん、柚葉・・・嬉しい♡」

 少し、押し気味にキスをする。長めに・・・笑いを堪えるのが、もう大変なんだけど・・・。これ、好きですよね?口の中に、弱点があるから。これだけで、もう、息が上がって・・・どれだけ、そんな、なんだか・・・

「やっぱり、柚葉がいい、上手だし・・・」

 馬鹿丸出しだな。白状したようなもんですよ、これ。頭が軽くて、お尻も軽いんだ。やっぱり、貴女は。美加璃様。

「そうですか。僕は、上手なんですね?どなたより、上手なんですか?」

 はっとした顔をする。本当の恋人だったら、この後、沢山詰るんだろうな、どうしようかな・・・?

「あああ、違うわ、柚葉、そんなわけないじゃない、私が他の男となんて・・・そんな」
「そうですよね。そんな筈ありませんね。僕の杞憂でしたね・・・」

 杞憂って、解るかな?難しい言葉、使っちゃったね。・・・この、大ウソつきめ


「・・・さて、久しぶりですから、今日は、どうされたいですか?」
「柚葉のお好きなように・・・」
「・・・待ちかねていましたからね。いきなりですが、・・・いいですか?」

 先程は、トレーニングウェアでしたね。一度、お部屋に戻られて、シンプルなワンピースで来られましたね。実に、貴女らしいお洋服で、お似合いだ。流石、前のチャックを降ろすだけでいいですもんね。脱がせやすいの、着てきてましたね。いつもながら、情緒がないこと・・・、お約束ですよね。それでは、即物的な貴女に合わせてあげましょうね。

「あ・・・そんな・・・」

 とか言いつつ、自分から、そんなに脚拡げて、まあ、早く始めれば、早く終われますしね。

「嬉しいですよ。いつから、こんなになってたのですか?風船遊びの頃からですか?」
「うん、・・・、木立の中に行ったでしょ・・・」
「ああ、あの時ね、僕も自分を抑えるのに必死だったから・・・」

 人前で、イチャイチャしようと誘う、節操のなさ、数馬たちにも退かれそうでしたからね。

 「ああ、このまま・・・するの?」
「いけませんか?・・・もう、我慢が・・・できなくて・・・」
「ああ、柚葉、・・・そんなに・・・」
「たまには、こうやって、肌を晒さずに、このままで。その方が、惹き上がりませんか?」
「・・・あ・・・、すごいっ、やっぱり、柚葉がいい・・・」

 変態だから、興奮するんだろうね、・・・いきなり、大きな声出しちゃって、

 ・・・、違和感を感じました。否めませんね、これは。

「そうでしたか・・・」
「あ・・・何、・・・止まらないで、・・・どうしたの?」
「わかっちゃいました」
「何のこと・・・?」
「貴女の中、僕の、で、なくなってますね?」

 へえ・・・随分、その男としたんだな。飽き足らない淫乱女。

「え・・・何・・・どういうこと?」
「それは、僕が聞きたい所ですよ。言わなかったら、もう、このまま、離れますよ」
「あああ、いや、離さないで」

 姫は、俺にしがみ付いて、キスを求める。唇を指先で、抑えて、その動きを止める。

 冗談じゃない。そのまま、その男と何とかなれば、いいのに。なんで、戻ってきちゃったんでしょうかね?

「ダメです。・・・酷いじゃないですか。ランサムに行ったのは、僕のことなんて、どうでもよくて、新しい恋人を探しに行ったのではないですか?」
「違う、違うの・・・あの・・・」
「貴女の為に、辛い高官接待を熟して、もう、できれば、あんなことしたくないですよ」

 素国の為とはいえ、茶番劇を繰り返す、もう、できれば、こんなことしたくないですよ。

「ごめんなさい、ごめんなさい、柚葉」
「・・・もう、身体を離します、残念です・・・」
「いやあ、・・・ごめんなさい、柚葉、私、寂しくって、柚葉に似てたの、あの警備の人・・・」

 あああ、SPかあ。それは、四六時中、一緒にいるからね。よく誑し込んだな。秘密にできますよね。どの男だろう?別に、言いつけないけどね。どうせ、数日後には、ランサムに戻るんだから、また、よろしくやってくだされば、結構ですよ。

「・・・、とても、悲しいですが、こんなことで騒ぐのは、性に合いません。今回は、見逃して差し上げます。お母様にも、言いませんから。・・・姫付きの務めとしては、このぐらいにしますが、貴女を思う男としての僕は、貴女を許すわけにはいきません。今日はもう、お終いです」
「そんな、柚葉・・・嫌あ・・・ああ、そんな・・・」

 二の姫は、俺に取り縋る。

 どうせ、したいだけだろう?それに、貴女にとって、僕は、連れ歩いて、見せびらかすのに、最適なアイコンに過ぎないのだから・・・、正直、三人の姉妹の中ならば、大人しい一の姫か、まだ、無邪気な三の姫の方がよかった。

 「ダメです。僕を裏切った報いを受けてください。さあ、お部屋へお戻り下さい。お送りしますから。勝達な貴女には、泣き顔は似合いません。どなたかに会ったら、勘ぐられてしまいますよ。わかりました。これだけ・・・んっ・・・もうしないと、誓ってください」
「・・・ああん、ごめんなさい。二度としないから、愛してるわ、柚葉」
「美加璃様、この罰は受けてください。僕も辛いです。でも、愛する者としては、許せませんから。僕のこと、優しいとか、お思いになられているようですが、このようなことに関しては、桐藤のように、怖い男になります。これ以上やったら、その警備の者を処刑してもらうように、お妃様にお願いしますから」

 我ながら、どの口から、いけしゃあしゃあと、こんな出鱈目が言えるのかと。我ながら、呆れてしまいますよ・・・

「ごめんなさい、本当に、もうしないから、柚葉」
「わかりましたから、でも、今夜はお戻りください。僕も、一人になって、この怒りを鎮めたいので」
「わかりました。・・・そんなに、柚葉が思ってくれているのに、本当に、ごめんなさい」
「わかっていただければ、いいのです。では、参りましょう。お部屋まで、お送り致しますので」




「・・・お見事・・・貴方も、気苦労が絶えないわね」
「ああ、いらしてたんですね?・・・ご無沙汰しています。その後、いかがですか?」
「順調よ、今、調べをやってて。北の古宮に、皇后陛下が、幽閉されているの、知ってて?」
「それは、噂で・・・」
「もしも、そこに、死んだ筈の、第一皇子が、生きていたとしたら?」
「・・・それは、・・・成程・・・それが、本当だったら・・・」
「どうやら、こちらにも、好機が回ってきたようね」
「どうか、それまで、慎重に動いて、気を付けて。気づかれないように。貴女のことだから、大丈夫だと思いますが」
「こちらこそ、・・・うふふふ、すごいわね、本当に、心から愛する人を寝取られた男を、上手に演じられてたわ。メール添付の写真、よく撮れてるでしょ。・・・女には、少しは慣れたの?」
「まあね、でも、あのしつこさには、困りものですよ・・・ふーん、とんでもないね、相変わらず・・・」
「・・・母親に似て、貪婪な姫・・・、今後も、このSPと続きそうね」
「その方が、僕は助かりますから。はあ?こいつのどこが、僕に、似てるんですかね?」
「可哀想、二の姫様。本当に貴方のことが好きなのに、我慢がお出来にならないだけなのにね・・・そのお相手のSPの写真、どうしますか?」
「もういいですから、貴女の方で、一応、管理しておいてください。何かに使えるかどうかは、解りませんけど・・・あああ、今宵、可愛い慈朗は、お妃様の御渡りでしたね。ああ、あんな天使と、仕切り直しをしたい所ですが・・・」
「まあ、そういう貴方も、相当な・・・」
「彼の初めてを構って、し尽くさせたのは、貴女だったんですよね?」
「まあ、そうでしたね。・・・本当に、天使みたいな、可愛い子だわ」
「ダメですよ。今後、手を出したら、本気で、お妃様にリークします・・・いずれ、手に入れる心算ですから・・・」
「そうね。あの時、予感がしたのよ。あの子をここへ送り込んだら、きっと、貴方の手にもかかるって、やはり、そのようになるのかしらね・・・?」
「・・・では、休みます。覗き見、結構ですが、あまり、多くない方がいいです。万が一、皇宮の中の人間が、僕と、例の仕事の貴女が繋がっているなんて、バレたら、僕たち二人の命だけでは、足りませんからね」
「それは、よく心得ているわ。・・・次は、志芸乃シギノ様と紫統ズードン様の、極秘会談後、・・・ぐらいに、ご報告に参ります。では」


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                           (心の真実編)
                 御相伴衆~Escorts 第一章 第十二話

 お読み頂きまして、ありがとうございます。
 随分、aとbでボリュームが違いましたが、色々な隠された真実があるということです。
 次回も引き続き、柚葉と美加璃姫の件が続きます。
 柚葉の印象が悪くなりそうですが・・・お楽しみになさってください。

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