フレイル高齢者×社会参加。要介護認定,死亡リスクとの関連
📖 文献情報 と 抄録和訳
フレイル高齢者における社会参加と障害および死亡の発生: JAGES縦断研究
[背景・目的] フレイルは障害や死亡の最大の危険因子である。社会参加は、自立した高齢者の有害な転帰を減少させるための修正可能な因子である。しかし、フレイル高齢者における社会参加と偶発的障害および死亡率との関連は不明なままである。そこで、様々な社会的活動と障害および死亡率との関連を検討した。
[方法] この全国規模の前向きコホート研究(日本老年学的評価研究)では、65歳以上のフレイル高齢者(N=9090)を募集し、6年間(2010~2016年)の追跡調査を行った。追跡期間終了時の障害発生と全死因死亡を検討した。フレイルは基本チェックリストを用いて評価した。独立変数は2010年の社会参加で、以下の7つのカテゴリーに分類した。
[結果]
■ 参加の種類と要介護認定リスク
・参加者の障害発生率は19.5%(1770人)であった。
・スポーツグループまたはクラブ(ハザード比[HR]=0.74;95%信頼区間[CI]=0.57、0.98)または趣味のグループ(HR=0.77;95%CI=0.60、0.98)に所属していることは、障害の発生リスクの低下と有意に関連していた。
■ 参加の種類と死亡リスク
・参加者の死亡率は19.2%(1753人)であった。
・趣味のグループ(HR=0.68;95%CI=0.56, 0.83)、スポーツグループまたはクラブ(HR=0.71;95%CI=0.57, 0.88)、ボランティアグループ(HR=0.69;95%CI=0.54, 0.88)、老人クラブ(HR=0.75;95%CI=0.61, 0.90)は、死亡事故発生リスクの低下と関連していた。
[結論] 社会参加は、健康な高齢者だけでなく、障害や死亡のリスクが高いフレイル高齢者においても、障害や死亡の発症リスクの低下と関連していた。このことから、フレイル高齢者は、本研究で検討された7種類の社会参加すべてに参加することが、その後の障害や死亡のリスクを低下させる可能性があるため、奨励されるべきであることが示唆される。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
以前の文献抄読において、『Activity, Participant Trigger: AP-Trigger』という概念を見つけた。
今回の論文では、社会参加が介護保険認定リスクと死亡リスクに関連していた。
この効果の一端には、AP-Triggerとしたの社会参加の役割があると思う。
社会参加は、フレイル高齢者を外に、活動に導く引力となる。
今回示された7つのカテゴリーも問診の調査などで使えそうだ。
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