フレイルであることの弊害。入院中高齢者の4つの転帰との関連
📖 文献情報 と 抄録和訳
フレイルの状態は高齢者の大外傷の転帰を予測するか?システマティックレビューとメタアナリシス
[背景・目的] 高齢者における大きな外傷の発生率は増加している。フレイルは、外傷の転帰に影響を与える要因である可能性が高い。我々は、フレイルが高齢者の外傷の転帰に影響を与えるかどうか、また年齢よりも予測性が高いかどうかを調査することを目的として、システマティックレビューを実施した。
[方法] フレイル、重大な外傷の重症度、転帰を調査した観察研究を対象とした。2010年から2023年1月1日までの電子データベース(Ovid MEDLINE、PubMed、Ovid EMBASE、CINAHL)を検索した。Joanna Briggs Instituteのソフトウェアを用いて、バイアスのリスクを評価し、フレイルの状態と転帰の関係のメタ分析を実施した。ナラティブシンセシスにより、フレイルと年齢の予測値を比較した。
[結果] 12件の研究がメタアナリシスに適格であった。
■ 院内死亡率(オッズ比(OR)=1.12、95%信頼区間(CI)1.05、1.19)
■ 入院期間(OR=2.04、95%CI1.51、2.56)
■ 自宅退院(OR=0.58、95%CI0.53、0.63)
■ 院内合併症(OR=1.17、95%CI 1.10,1.24 )
すべてが、フレイルと関連していた。フレイルは、多変量回帰分析を報告した6つの研究において、高齢の外傷患者の有害な転帰と死亡率の予測因子として、損傷の程度や年齢よりも一貫していることが明らかになった。
[結論] フレイルを有する高齢の外傷患者は、院内死亡率、入院期間の延長、院内合併症、退院時の不利な処遇が高い。フレイルは、これらの患者において、年齢よりも有害な転帰の予測因子として優れている。フレイルの状態は、患者管理の指針として、また臨床ベンチマークや研究試験の層別化に有用な予後変数となる可能性が高い。
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