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足関節背屈可動域。荷重位でも測りましょう!


📖 文献情報 と 抄録和訳

足関節損傷における体重負荷と非負荷の背屈可動域の違いと関係

📕Koshino, Yuta, et al. "Differences and relationships between weightbearing and non-weightbearing dorsiflexion range of motion in foot and ankle injuries." Journal of Orthopaedic Surgery and Research 19.1 (2024): 115. https://doi.org/10.1186/s13018-024-04599-x
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[背景・目的] 本研究の目的は以下の通りである: (1)損傷肢の足関節背屈可動域(DROM)の制限をより大きく検出できる評価方法を特定すること、(2)非荷重位での測定により、損傷肢にDROMの制限がない場合でも、荷重位での測定に差があるかどうかを調べること、(3)荷重位と非荷重位でのDROMの関連を調べ、足関節損傷患者群と健常者群との間で比較すること。

[方法] 足関節損傷(骨折、靭帯・腱損傷など)患者82名と健常者49名が本研究に参加した。非荷重DROMは、膝を伸ばした腹臥位と膝を曲げた腹臥位の2つの異なる条件で測定した。体重負荷DROMは、最大背屈時の脛骨傾斜角度(体重負荷角度)と母趾と壁との距離(体重負荷距離)として測定した。

二元配置反復測定ANOVAおよびt検定を用いて、患者群におけるDROMに対する側方(損傷あり、なし)および測定方法の影響を評価した。測定値間のピアソン相関を評価した。さらに、非荷重DROM制限(≦3度)のない患者が、体重負荷DROMに制限を示すかどうかを、ボンフェローニ補正を用いたt検定を用いて分析した。

[結果] 患者群のDROMは、すべての測定方法で脚間で有意差があり(すべて:P<0.001)、最も効果量が大きかったのは体重負荷角度であった(d=0.95)。非荷重DROM制限のない患者(n=37)は、受傷側で非受傷側より有意に小さい荷重角と荷重距離を示し(それぞれP<0.001)、その効果量は大きかった(d=0.97-1.06)。

非荷重位と荷重位におけるDROMの相関係数は、患者群では非常に弱い(R = 0.17, P = 0.123)~中程度(R = 0.26~0.49, P < 0.05)、健常者群では中程度~強い(R = 0.51~0.69, P < 0.05)であった。

[結論] 足部・足関節の損傷によるDROMの制限は、非荷重位での測定のみでは見落とされる可能性があり、体重負荷位でも測定すべきである。さらに、非荷重位と荷重位でのDROM測定は、特に患者グループにおいて、異なる特性を評価する可能性がある。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

足関節は、距骨が距腿関節窩にはまり込む「ほぞとほぞ穴のような構造」をしている。
その足関節が背屈する動きを想像してほしい。
非荷重においては、ほぞとほぞ穴がガッチリはまり込んでいない、やや距離がある状態で背屈していく。
一方で、荷重している状態では、ほぞとほぞ穴がガッチリはまり込み、距離がない状態で背屈していく。

荷重か非荷重か。
この両者の違いは、凹を構成している脛骨と腓骨の広がりや、靭帯、筋の伸張特性と足関節角度の関係の違いを生み出すだろう。
今回の抄読研究においては、その両者の違いが実際に角度としてあるのかを調査し、特に足関節損傷者においてその違いが明らかだった。
次のステップとして、この角度の違いがどのような病態レベルの違いによって生じているのかを知りたいところだ。
自分自身も勉強しつつ、考察を進めつつ、研究報告を待ちたい。

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