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動作中における“ハムストリングス”の筋内動態


📖 文献情報 と 抄録和訳

ハムストリングス運動における大腿二頭筋長頭筋膜および腱組織の挙動の部位差

📕Li, Chen, and Ye Liu. "Regional differences in behaviors of fascicle and tendinous tissue of the biceps femoris long head during hamstring exercises." Journal of Electromyography and Kinesiology (2023): 102812. https://doi.org/10.1016/j.jelekin.2023.102812
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[背景・目的] 大腿二頭筋長頭(The biceps femoris long head, BFLH)は、その特性を内部要素(筋膜と腱性組織)から得ているが、その挙動はBFLHの部位や動的なタスクにかかわらず、まだ十分に理解されていない。本研究の目的は、膝と股関節の様々な動的課題におけるBFLH近位部と遠位部の筋膜と腱組織のin vivoでの挙動を評価することである。20名の男性がノルディックハムストリングエクササイズ(Nordic hamstring exercise, NHE)(n=9)ルーマニアンデッドリフト(Romanian deadlift, RDL)(n=11)を行った。BFLHの活性化は表面筋電図信号を用いて評価した。筋膜と腱性組織の相互作用を推定するために、BFLHの超音波画像と運動学的データを用いた。

[結果] RDLと比べて,NHEは筋活動が高く(p<0.05)、筋膜の長さの変化は小さく(p<0.05)、BFLHの長さの変化への寄与も小さかった(p<0.05)。BFLHの羽状角の変化は、両課題とも遠位領域が近位領域より大きく(p<0.05)、NHEでは遠位領域の活性化が近位領域の活性化より大きかった(p<0.05)。BFLHの長さの変化は、動的レジスタンス課題では主に腱組織によるものであり、膝関節優位のNHEでは、股関節優位のRDLと比較して、より等尺性に作動する筋膜による寄与は少なかった。

[結論] 動的作業中の羽状角の変化と活性化における地域差は、BFLHの力学的機能における地域差の可能性を示唆しており、さらなる研究が必要である。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

インターナルショートニング、という現象がある。
インターナルショートニングとは、同じ筋腱長に対して筋線維長が減少し、相対的に腱組織の伸張が生じる現象である。

これまで、アキレス腱と下腿三頭筋において、インターナルショートニングの存在を認識していた。
今回の研究で、ハムストリングスにおいてもインターナルショートニングが動的課題で重要であることを知った。
人間の動きにおいて、腱という組織はいま思っている以上に、重要な働きをしているのかもしれない。

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