📖 文献情報 と 抄録和訳
骨粗鬆症における微生物叢-腸-骨軸の潜在的メカニズム:総説
[背景・目的] 骨粗鬆症は、骨の量や質が低下し、骨格がもろくなることで骨折しやすくなる代謝性骨疾患である。骨粗鬆症による骨折は、患者のQOL(生活の質)や死亡率に深刻な影響を与える。腸内細菌叢の変化が骨量や骨格の変化と関連していることを示唆する証拠は多数ある。我々は、骨粗鬆症における腸内細菌叢の基本的なメカニズムを解明するために、前臨床および臨床研究をまとめた。
[レビュー概要] プロバイオティクス、プレバイオティクス、漢方薬は、腸内細菌叢の異常状態を回復させ、結果として骨代謝を改善する可能性がある。しかし、腸内細菌叢の骨代謝への因果関係については、より深く検討する必要がある。本総説では、腸内細菌叢-骨軸の潜在的なメカニズムと、プロバイオティクス、プレバイオティクス、漢方薬の骨粗鬆症に対するポジティブな治療効果に焦点を当てた。全体として、現在の科学文献は、腸内細菌叢が骨粗鬆症と骨折予防の治療における新しい治療ターゲットになり得ることを支持している。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
運動への意欲、老化、椎間板変性、腹痛…。
これまで、腸内細菌と身体の関係性に迫ったたくさんの文献に触れてきた。
その中で、自分が腸内細菌にもつ印象も、以下のように変わってきた。
そんな腸内細菌が、骨代謝にも関与しているらしい。
そして、そのミクロな仕組みが美しい図とともに示された。
気になるのは、メカノスタット理論との兼ね合いだ。
腸内細菌が舵の一部をとる骨免疫学的経路と、メカノスタット理論の影響度は、どちらが大きいのだろうか(影響度/配分性)?
はたまた、骨免疫学的経路が保たれた上で、メカノスタット理論が機能するのだろうか(順序的関係性/必要-十分関係)?
1つの知識は、たくさんの疑問と手をつないでやってくる。
いやはや、困ったものだ。
それが、面白いのだけれども。
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