脳卒中者の屋外歩行自立。BBSとMini-BESTestを用いた臨床予測ルール
📖 文献情報 と 抄録和訳
脳卒中患者におけるBerg Balance ScaleまたはMini-Balance Evaluation Systems Testを用いた屋外歩行自立の臨床的予測ルール
[背景・目的] 背景脳卒中患者の多面的な歩行自立度を決定するための臨床予測ルール(clinical prediction rule, CPR)は確立されていない。
・目的:脳卒中患者の多地面歩行自立度を判定するためのCPRを開発すること。
[方法] 419名の脳卒中患者を対象とした多施設レトロスペクティブ解析。BBS、快適歩行速度(comfortable walking speed, CWS)、認知障害を組み合わせたBerg Balance Scale(BBS)モデルのCPR、およびMini-BEST、CWS、認知障害を組み合わせたMini-Balance Evaluation Systems Test(Mini-BESTest)モデルのCPRを開発した。自立を従属変数とし、各因子を独立変数としてロジスティック回帰分析を行った。同定された因子は、報告されたカットオフ値に基づいてスコア化(0、1)された。CPRの精度は、曲線下面積(AUC)によって検証した。ブートストラップ法による内部検証を行い、CPRのテスト後確率を算出した。
[結果]
■ BBSモデル
・予測因子:BBS、CWS、認知障害
・0~3点
・AUC(ブートストラップ平均AUC):0.89(0.90)
・陰性的中率(陰性尤度比):CPRスコア<2で97%(0.054)
■ BESTestモデル
・予測因子:Mini-BESTest
・0~1点
・AUC(ブートストラップ平均AUC):0.72(0.72)
・陰性的中率(陰性尤度比):CPRスコア<1で94%(0.060)
[結論] ここで開発されたCPRは、屋外歩行自立の判定に有用である。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
まず、臨床予測ルール(臨床予測モデル)を知らないという方は、以下noteの考察に概要を説明しているので、そちらをご覧いただきたい。
今回のモデルは、脳卒中患者の屋外歩行自立の予測モデルを横断的な予測因子から開発している。
つまり、このモデルの使い方は、即時的だ。
「この方、退院後屋外歩行自立できるかな?」
「この方、いま院外も含め歩行自立可能そうかな?」
という予測をサポートしてくれるツールだ。
しっかりと予測精度や内部検証されている点も、安心感がある。
ぜひ、外部検証、臨床での使用へと歩みを進めたい。
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