Dementia+。進行した病状, ADL障害とコスト
📖 文献情報 と 抄録和訳
認知症高齢者における重篤な疾患の併発頻度とその意味するもの
[背景・目的] 高齢者における重篤な疾患は、認知症、日常生活動作(ADL)障害、その他の進行した病状の3つの症状から構成される。認知症と重篤な疾患の他の症状がどのように併発するかについてはほとんど知られていない。われわれは、認知症患者が他の重篤な疾患の症状とともに生活している有病率、および医療利用、メディケア費用、介護時間、自己負担費用に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。
[方法] この横断研究では、メディケアのフィー・フォー・サービス請求にリンクされた2016年Health and Retirement Study(HRS)のデータを使用した。対象者を65歳以上の成人に限定した。認知症は、HRSの機能検査スコアと認知検査スコアを組み込んだ検証済みの方法を用いて判定した。
医療利用およびメディケア費用は保険請求で測定し、介護時間および自己負担費用は自己申告とした。
[結果] ほとんどの認知症(67%)は、重篤な疾患の別の症状(24%が進行した病状、44%がADL障害)の基準を満たしていた。
認知症+は病院利用の割合が最も高く、メディケアの総費用中央値も最も高かった(17,900ドル vs. 認知症+ADL障害8962ドル vs. 認知症単独4376ドル)。1ヵ月あたりの平均介護時間は、認知症と進行した病状、認知症とADL障害で同程度(それぞれ142.9時間と141.9時間)であったが、認知症単独ではかなり少なかった(47.7時間)。自己負担額の中央値は、認知症とADL障害で最も高く(13,261ドル)、次いで認知症と進行した病状(10,837ドル)、認知症単独(7017ドル)であった。
[結論] 認知症は一般的に重病の別の症状に直面している。認知症およびADL障害は、認知症および家族にとって最も高い費用と関連しており、認知症および進行した病状はメディケアにとって最も高い費用と関連していた。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
問題点の抽出、は大事だ。
仮にImpairmentレベルの機能低下があったとしても、それが生活上問題となるかどうかは、全く別の話。
今回抄読した研究では、認知症+進行した病状,ADL障害を有しているとコスト面においても大いに問題になることを明らかにした。
認知症がありながらもADL障害を有さない方、有する方、その違いは何だろう。
進行した病状にも、同じ疑問がある。
そして、その要因の中で可変的な項目はあるだろうか。
あるなら、何かをよくできる可能性がある。
疾患名で名前負けするのではなく、その真実を見定めよ。
少なくも、見定めようとする姿勢を見せよ。
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