新卒理学療法士のソーシャルメディアへの認識
📖 文献情報 と 抄録和訳
「開放的なツール」:新卒理学療法士の学習におけるソーシャルメディアの認識と利用
[背景・目的] ソーシャルメディアは非公式な学習の機会を提供しており、医療従事者による学習ツールとしての採用も増加しています。しかし、新卒の理学療法士が学習のためにソーシャルメディアをどのように活用しているかについては、ほとんど知られていません。目的:本研究の目的は、新卒の理学療法士が専門的実践への移行期に学習ツールとしてソーシャルメディアをどのように認識し、活用しているかを調査することです。
[方法] 本研究では、定性的な一般誘導的アプローチを用いた。新卒の理学療法士(n=16)を目的のあるスノーボールサンプリングにより募集し、半構造化インタビューに参加してもらった。データは、一般誘導的分析方法に供した。
[結果] 4つのテーマが抽出された。1)学習ツールとしてのソーシャルメディア、2)学習者としてのソーシャルメディアの活用、3)ソーシャルメディアに関する批判的思考、4)実務との関連性。
上図は、新卒理学療法士が大学から職業的実践へ移行する過程において、ソーシャルメディア(SM)の役割を視覚的に表現している。図に描かれた人が「Navigating and engaging with SM」(ソーシャルメディアを活用し、積極的に関与する)というTシャツを着て、坂道を登っている。坂道は「SM as tools for learning」(学習ツールとしてのソーシャルメディア)とラベル付けされており、大学から職業的実践への移行を象徴している。
この坂には3つの柱が描かれており、それぞれ「Thinking critically about SM」(ソーシャルメディアについて批判的に考える)というテーマが示されている。これは、学習者が単にソーシャルメディアを利用するだけでなく、その情報の信頼性や適用性について深く考える必要があることを意味する。この過程を経ることで、理学療法士がソーシャルメディアを活用して自身の専門的実践に関連する学びを得ている。
図の上部では、「Relevance to practice」(実践への関連性)という吹き出しが表現されており、最終的に学んだ内容が実際の職業的実践に役立つことを示唆している。つまり、ソーシャルメディアは、批判的思考と実践への応用を通じて、新卒理学療法士が専門家として成長するための補助的な学習ツールとして機能することが強調されている。
[結論] 新卒の理学療法士は、ソーシャルメディアを補助的な学習ツールとして利用しており、それは状況的学習理論を含むいくつかの枠組みに位置づけることができる。しかし、新卒者は情報の信頼性、情報をナビゲートする際に批判的思考スキルが重要であること、また仕事と生活の境界が曖昧になることへの懸念について不安を口にしている。特に職場でのサポートが不十分である新卒者に対して、新たな学習ツールとしてソーシャルメディアをさらに理解するための研究が推奨される。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
玉石混交、という言葉がある。
意味は、「すぐれたものと劣ったものが区別なく入り混じっていること」。
ソーシャルメディアの情報とは、まさに玉石混交、だと思う。
そうなってしまう理由は様々ある。
①査読がない
②文字数制限
③そもそも学術目的のプラットフォームではない
・・・etc
そうなったときに大事なことは、『ソーシャルメディアリテラシー』を持つ、鍛えることだ。
ソーシャルメディアリテラシーとは、臨時の造語(すでにあるかも)なのだが、つまり玉石混交の情報の中で、信頼できる情報を取捨選択できる能力のことだ。
ぼくは、ソーシャルメディアに関しては、むしろ発信する側にもなっているので、常々このソーシャルメディアリテラシーの必要性について感じていた。
特に、まだ綺麗なキャンバスを持っている新人世代にとっては、このリテラシーを持つことの重要性は大きい。
今回抄読した研究においては、そんな新人理学療法士がソーシャルメディアの活用についてどのような認識を持っているかを調査した。
その結果、嬉しいことに『ソーシャルメディアリテラシー』の重要性について、しっかり認識していることが明らかになった。
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