重要なフードリテラシー。満腹を求める食事は危険です!
📖 文献情報 と 抄録和訳
日本人成人における高度加工食品摂取と食品選択価値および食品リテラシーとの関連:全国横断研究
[背景・目的] 超加工食品(Highly processed food, HPF)の消費は世界的に増加しており、公衆衛生上の重要な関心事となっている。しかし、HPF消費量と食品選択価値および食品リテラシーとの関連は不明である。本研究は、HPF消費と食品選択価値および食品リテラシーとの関連を検討することを目的とした。
[方法] 本研究は、18~80歳の日本人成人2232人を対象に2018年に実施した全国規模の質問紙調査のデータを用いた横断研究である。8つの食品選択価値(アクセシビリティ、利便性、健康・体重コントロール、伝統、感覚的魅力、オーガニック、快適性、安全性)を25項目の尺度を用いて評価し、栄養知識(検証済みの143項目の質問票を使用)によって特徴づけられる食品リテラシーを評価した、 また、フードリテラシーは、栄養知識(有効な143項目の質問票を使用)、調理技能および食事技能(それぞれ14項目および19項目の質問票を使用)、8つの食行動(空腹感、食物反応性、感情的過食、食物の楽しみ、満腹感反応性、感情的過食、食物騒がしさ、食事の遅さ、35項目の成人食行動質問票を使用)で特徴づけられた。HPF消費量は、検証済みの簡単な食事歴質問票を用いて推定した。HPF消費量と年齢、肥満度、エネルギー摂取量、食品選択値およびフードリテラシーの各スコアとの関連を重回帰で評価した。
[結果] 男性では、調理技能および満腹感反応性の得点が標準偏差1つ増加すると、HPF消費量はそれぞれ22.1g/4184kJ(95%信頼区間(CI):6.6~37.5)および15.4g/4184kJ(95%CI:6.0~24.7)増加した。女性では、年齢および安全性と栄養に関する知識の得点が標準偏差1つ増加すると、HPF消費量は-16.4g/4184kJ(95%CI:-23.4~-9.3)、-9.9g/4184kJ(95%CI:-19. 1~-0.7)、および-11.1g/4184kJ(95%CI:-17.0~-5.3)であった。また、満腹感反応性スコアが1標準偏差増加すると、HPF消費量は13.1g/4184kJ(95%CI:6.8~19.4)増加した。
[結論] これらの結果より、男女ともに満腹感を感じやすい人ほど、超加工食品の摂取量が多いことが分かった。食事で満腹感を求める人は、超加工食品の利用が増える可能性がある。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
フードリテラシー、とは良い言葉だと思った。
今回の結果から、何よりも目から鱗だったのは『食事に満腹感を感じる度合い』があるということ。
「えっ、食事って満腹感を求めるためのものでしょ!?」と思った。
僕自身は、満腹感のない食事には、おそらく満足できない方の人間だ。
だが、それは選択的にそうなっていたわけではなくて、そこに選択肢があることを知らなかったのだ。
「満腹感を十二分に充足させない食事法が存在していて、その方が超加工食品の摂取量は抑えられる」ということを、今回の抄読文献を通じて理解した。
選択肢ができたなら、そちらを選ぶことならできそうだ。
これから、僕の食事が変わり、ひいては人生が変わってゆくだろう。
われわれを人間にするのは、選択する能力である。
マデレイン・レングル(作家)
⬇︎ 関連 note & 𝕏での投稿✨
○●━━━━━━━━━━━・・・‥ ‥ ‥ ‥
良質なリハ医学関連・英論文抄読『アリ:ARI』
こちらから♪
↓↓↓
‥ ‥ ‥ ‥・・・━━━━━━━━━━━●○
#️⃣ #理学療法 #臨床研究 #研究 #リハビリテーション #英論文 #文献抄読 #英文抄読 #エビデンス #サイエンス #毎日更新 #最近の学び