1日3回、1-2分間の高強度運動で死亡リスクが最大4割減少
📖 文献情報 と 抄録和訳
ウェアラブルデバイスで測定した精力的な間欠的ライフスタイル身体活動と死亡率の関連性
[背景・目的] ウェアラブル端末は、余暇の運動としてではなく、日常生活に組み込まれた短時間の活発な間欠的ライフスタイル身体活動(vigorous-intensity physical activity done as part of daily living, VILPA)などの未解明な運動パターンを捉えることができる。
[方法-結果] ここでは、英国バイオバンクの非運動者25,241人(平均年齢61.8歳、女性14,178人/男性11,063人)において、VILPAと全死亡、心血管疾患(CVD)およびがん死亡率との関連を検討した。平均6.9年の追跡期間中、852人が死亡し、VILPAはこれら3つの転帰すべてとほぼ直線的に逆相関していた。VILPAを全く行わなかった参加者と比較して、サンプル中央値の1日3回(各1分または2分)のVILPA頻度でVILPAを行った参加者は、全死亡およびがん死亡リスクを38%~40%、CVD死亡リスクを48%~49%減少させることが示された。
さらに、標本の中央値である1日あたりのVILPA時間4.4分は、全死因およびがん死亡リスクを26%~30%、CVD死亡リスクを32%~34%減少させることが示された。運動している英国バイオバンク参加者62,344人(死亡者数1,552人、女性35,290人/男性27,054人)において、活発な身体活動(VPA)について上記の解析を繰り返したところ、同様の結果が得られた。
[結論] これらの結果は、少量の運動しない活発な身体活動が、死亡率の大幅な低下と関連していることを示している。運動をしていない人のVILPAは、運動をしている人のVPAと同様の効果を引き出すようであり、特に運動ができない人や意欲のない人の身体活動目標としては、VILPAが適している可能性が示唆された。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
昨年、強烈なインパクトを受けた研究に『3秒の筋トレが効果を出す(SJMSS)』があった(📕Sato, 2022 >>> doi.)。
この研究は、世界的にも強烈なインパクトを残したらしい。
今回の研究は、それと同等かそれ以上の衝撃を受けた。
1日1-2分間 × 3回の高強度運動で、死亡リスクが『4割減少』するという。
試しに、やってみた。
SuperHumanは、自転車通勤車なのだが、車通りの少ないロングストレートで自転車ダッシュを、行き帰りにしてみたのだ。
やってみて分かったのだが、冗談じゃない。
快適ペースとダッシュではスイッチと動員される機構が違いすぎる!
1分〜2分程度の運動だったが、この数年来、感じたことのない「胸痛」「息切れ」「筋肉疲労感(乳酸)」に襲われた。 #強度上げすぎ
猫とライオンが、全然違った強度であるように。
それは、地続きのようでいて、違った大陸だ。
こんな運動できるやつは、そりゃ生きると思った。
高強度運動ができる身体機能や諸々をもつ人間は生きる。
でも、そのまた逆もあるだろう。
マグロ漁師が、力があるから大きいマグロを釣れるというのと、大きいマグロを釣り上げるから力がつくという、両方が至極妥当であるように。
歯車は、2つが噛み合って1つの機構を作っている。
そのどちらを回したって、結局のところ、他方も回転するのだ。
そして、短時間の運動といえば「習慣レバレッジ」の良い適応になる。
この研究が秀逸だと思ったのは、1-2分間という日常に非常に取り入れやすい介入提案と、死亡リスクという超重要アウトカムを組み合わせていることだ。
こんなやりやすそうで、やった方がいいと思わせる運動は、やりたくなる。
SuperHumanは、以下の様な感じで1日3回のVILPAを実施したいと思う。
①行きのロングストレートの自転車ダッシュ
②帰りのロングストレートの自転車ダッシュ
③夕食後のラジオ体操(高強度ver.)
これでまた、生きる確率が上がるな。
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