Bridge training。『6 steps』 漸進的トレーニング
📖 文献情報 と 抄録和訳
脳卒中患者における座位から立位の伸展相での体重負荷と座位から立位の能力に対する漸進的ブリッジングの効果。無作為化比較試験
[背景・目的] 脳卒中患者の座位から立ち上がりまでの伸展相における力、時間、圧力、および座位から立ち上がりまでの能力に及ぼす漸進的ブリッジング運動の影響を検討する。
[方法] デザイン:単盲検無作為化対照試験。実施場所:病院。参加者:脳幹および小脳を除く急性虚血性脳卒中患者48名を介入群(n=24)および対照群(n=24)に無作為に割り付けた。5名が2ヵ月間のフォローアップ中に脱落したが,intention-to-treat解析の対象とした。介入:介入群には、45分の従来の理学療法と30分の漸進的なブリッジング運動が行われた。対照群には従来の運動のみが行われた。主要評価項目:訓練前、4週間の訓練後、2ヶ月の追跡調査において、垂直方向地面反力ピーク値、ピーク値までの時間、足圧ピーク値、sit-to-standの伸展相における足圧ピーク値、Motor Assessment Scaleのsitting-to-standingの項目を評価した。
[結果] 介入群は、4週間のトレーニング後、sit-to-standの伸展相における足部間のピーク垂直接地反力の差が、対照群よりも有意に(p<0.001)小さくなった(平均±標準偏差;介入、5.38±3.99;対照群、17.1±10.3)。2ヶ月のフォローアップ(介入、6.79±3.84、対照、17.5±9.89)も同様(p<0.001)。加えて、トレーニング後[平均(四分位範囲);介入、5(2-5);対照、2(1-2)]およびフォローアップ[介入、2(2-5);対照、2(1-2)]に対照より有意(p<0.001)に高いMotor Assessment Scale(立位の)スコアを実証した。両群とも、内側と外側の踵、中足骨、外反母趾の部位に足圧のピークが見られた。
[結論] 漸進的ブリッジング運動は、座位から立位の伸展相における対称的な体重支持を改善し、結果として脳卒中患者の座位から立位の能力を向上させた。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
秀吉というのは、驚愕すべき人物だ、何につけても。
あるとき、その臣下が秀吉の突飛な策に『おやめなさい。先例にもないことでござる』と進言した。
そのときの言葉が、なんとも秀吉らしい。
ここで思ってほしいのは、『こんなこと思うやつはあまりいない』ということ。
みんなが、自分が新しい道をつくろう、とは思わないだろう。
どころか、ほとんどの人間は、新たな道をつくるのではなく、既存の道を歩む。
良い/悪いではなく、事実、そうだろう。
だが、そこに漸進(前進)の意志がないか、と言われればそんなことはない。
誰もが、前に進みたいと願っている、足を前に出している、常に。
ただ、そこに階段がないから登らないだけだ。
階段のないフラットに見えるフロアにおいて、
そんな風に、そこに階段をつくろう!、と思えるのは、ほんの少数の気狂いだけだろう。
そんな人だけを基準に世界を考えたら、おかしいことになる。
多くの人は、2階があることも知らずに、そのフロアを悠々と歩むのだ。
だから必要なことは、すでに建設された『階段』があること。
目の前に階段があれば、誰だって2階の存在を知り、登る。普通に。
そこに意志はある、そして力もあるのだ。
そこは信じている。
だから必要なことは、目に見える階段をつくっておくことだけだ。
例えば、今回の6 steps bridge trainingを新人に示したら、喜んで漸進的にやるだろうと思う。
Pankheaw先生、貴重な階段を建設していただき、ありがとうございます🙇
⬇︎ 関連 note & 𝕏での投稿✨
○●━━━━━━━━━━━・・・‥ ‥ ‥ ‥
良質なリハ医学関連・英論文抄読『アリ:ARI』
こちらから♪
↓↓↓
‥ ‥ ‥ ‥・・・━━━━━━━━━━━●○
#️⃣ #理学療法 #臨床研究 #研究 #リハビリテーション #英論文 #文献抄読 #英文抄読 #エビデンス #サイエンス #毎日更新 #最近の学び