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【読書記録「茶の本」】お茶から日本について学ぶ

 今回は岡倉天心さんの「茶の本」を読みました。この本では、茶道を東洋と西洋の比較や仏教、道教などを交えながら幅広く話が進んでいき、お茶や茶道についてほとんど知らない私でも面白く最後まで読むことができました。
 読んできた本をnoteにまとめることで、頭の整理や言語化するときの助けになればと思っています。



岡倉天心とは?

明治時代、美術界の指導者。本名、覚三。
東京美術学校長。日本美術院を創設。「東洋の理想」「日本の目覚め」「茶の本」(1862~1913)

広辞苑 おかくら-てんしん

 この本を読んでどうしても茶道を体験してみたいと思い、今年の春には茶道体験に行ってきました。体験では実際に作法やお茶の作り方を教えていただき、おいしくて美しい和菓子をいただきました。

茶道とは?

 歴史の教科書で学んだ日本文化の一つに「茶道」がありました。千利休、侘び寂びの心や茶室についてもご存じの方は多いのではないでしょうか。そもそも茶道はどうして生まれたのでしょうか。

 茶はもともと医薬として用いられていたようで、中国から日本に伝わったとされています。

日常生活の素朴な営みの中にある美を賞(め)で、うやまうことを基調とした一種の礼法。8世紀の中国では茶を一種の高貴な遊びとして発展し、日本に伝わった。茶道では不完全さを尊ぶ。

茶の本

茶道の哲学

茶道では、倫理・宗教と融け合い私たちがいかに人間と自然との総体を見るべきか、ということを示している。

茶の本

茶道では、これらのことが含まれているようです。

・衛生学(厳しく清潔を説く)
・経済哲学(複雑で高価より、簡素の中にある安らぎに重きを置く。)
・精神幾何学(宇宙に対する人間の姿を定義する。)
・東洋的民主主義の真髄(主客の上下を問わず、すべてを風雅の道の貴族として遇する。)

 そして岡倉天心はこれだけ深く自らの内面を見つめることになったのは日本の鎖国時代が長かったためだと説いています。

「極上の孤独」という本の中にも、人は孤独であるからこその品格、美しさが生まれる、とあり、日本にとって鎖国はこのような文化が出来上がることになった一つの要素なのかもしれないですね。

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☑鎖国についても復習

〈時代〉
鎖国は徳川幕府時代の1639年から1854年にペリーの来航までの約200年
日本人の海外渡航も禁止されていた。

〈背景〉
キリスト教が国内の統治に悪影響だと考えたから?

〈他国との関わり〉
特定の場所(長崎と平戸)で、貿易は行われていた。
幕府との公式の交易は「中国・オランダ」(ほかにも、対馬藩(長崎・佐賀あたり)ー朝鮮、琉球(沖縄)ー薩摩藩(鹿児島・宮崎)ー中国、松前藩(北海道)ーアイヌ)

〈鎖国の間の日本〉
平和な世の中だった。
だからこそ文化が発展したとされる。

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茶道で大切にしているもの

 この文章を引用したのは、自分が絶対的な存在ではなく、あくまでも大きい存在を作っている一部であることを伝えているところに魅力を感じたからです。絶対的な自分、利己的な自分のままでとどまっているといつまでもこの境地には達することができないだろうとも思いました。茶道を通して人生観も学べるのかもしれないですね。

偉大と感じている自己がいかに微小な存在にすぎないか、ということを感じる。

茶の本

〈生け花のはじまり〉

 生け花のはじまりを考えたことがなかった汗

初期の僧侶が嵐で散った花を拾い集めたことによる。生けるものすべてに対する無限の思いやりをこめて、その花を瓶の水に浸けてやった。

茶の本


茶の本では随所に詩や、和歌などが引用されていました。文章や言葉が心にしみたので以下で特に好きなものを引用しました。

明の詩人 李竹嬾

「この世には、三つのまことに悲しむべきことがある。
その一は、誤った教育で立派な青年をそこなうこと、その二は、低俗な賛辞で立派な絵の格を下げてしまうこと、その三は、下手な点前によって立派な茶を台無しにしてしまうことである。」

茶の本  

王元之

「真撃の直言のごとく魂にしみ通り、その玄妙なる荷が味は善言の後味のごとし」

茶の本

まとめ

 ただ言葉として受け止めていた概念が本を通して広がりを持つことができた気がします。文章を読み進めるにつれて、表現や言葉遣いに見習いたいな、使えるようになりたいな、というようなものばかりでした。本を通して時代を超えて作者と交流できているような気持ちになりました😊


意味がすてきな言葉

玄妙 (道理や技芸が)奥深くて、その道に精通した人しか理解できない様子。

初めて知った言葉

奇矯 言動がとっぴな様子。
稚気 大人になっても残っている子供っぽい気分。
浪漫主義 叙情的で自由と個性を尊重、自己の解放を目指す



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