西上州・鬼石町の眺めと八塩温泉
確定しました。
唐突に何を?という感じですが、例の申告です。
どうでもいいですね。
出してしまうと、気持ちも晴れやかで、どうにでもなれ、という気持ちになって、パワーをもらいに、どこかに出かけようと思いました。
しかし、その前に、クリニックにいって血液検査の結果を見なければなりません。緊張です。おっと、肝機能がよくなってきました。アミラーゼも減少傾向。ちょっとだけホッとしました。
そんなことをしているうちに、11:00になってしまい、あまり遠出は出来そうにもなくなってしまいました。
しかも、強い雨も降って来て、空もどこか曇り空。
じゃあ、近場の自分のパワースポットに行こうと、今回は群馬県藤岡市鬼石に出かけました。旧鬼石町ですね。「おにし」と呼びます。
赤丸あたりが、旧鬼石町です。埼玉と群馬を隔てる神流川沿いにある小さな町です。
ちなみに、三波石という石の産地として有名です。三波石の外観は、石に白いチャート部分が肉のサシのように入って、波うっているように見える感じの石です。実は、私も庭石として購入したいと思っていますが、止められています。
昔、地場映画を観ることに凝っていたころがあって、鬼石町も映画をつくっていました。『しゃんしゃんしゃんしゃしゃしゃんしゃん』という映画で、鬼石夏祭りを背景にしたものです。
ただ、そのときはあまり意識をしなかったのですが、ちょっとした関係で神流町に何度かいく機会があったときに、通過したことで、縁ができました。縁と言っても、ただ私の心に残るだけのことですけどね。
鬼石町の南の端には、道の駅上州おにしがあります。農産物直売所とかがあるというよりは、トイレと食事処と、展示室があります。
何を展示しているのかというと、町の名産三波石の事柄です。私は、石に興味があり、しかも積極的な美的価値を抱いているので、とても面白いですが、もしかすると庭石に興味がある人以外には響かないかもしれません。
ここの道の駅にはもう一つ見どころがあります。旧い小学校の校舎が保存されているのです。
明治期に出来た譲原小学校の校舎です。私もさすがにこういった校舎で学んだことはないのですが、ある世代の人たちには響くのではないでしょうか。とはいえ、改装される前は、私の小学校の床は木でできていました。
校舎の入口です。あの拡声器のようなスピーカーが、なんとも心をくすぐりますね。子どもたちは、ドアを開ける前に、あの水道で水を飲んでいたのでしょうか。光景が目に見えるようです。
旧・譲原小学校の沿革です。
何とも時代を感じさせます。いたるところに良い石が使われています。昭和50年に、役目を果たし終えたと書いてあります。
窓です。なんともレトロな雰囲気ですね。
道の駅となりのレストランも渋いですね。
観光地というわけでは必ずしもないので、あまりパーキングがありません。街の南の街道筋にセブンイレブンがあって、そこの近くに古墳跡があります。
原古墳というもので、石を積んで、その跡を保存しているようです。味のある石です。結構、この近辺のおうちは大きいものが多く、庭にはイイ感じの石が置いてあります。さすがに石で大きくなった地域ですね。
鬼石町のまちの南にはおまつり広場という広場があり、トイレと無料駐車場として、イベントがないときには解放されているようです。桜の季節(いわゆる桜の見ごろではないようだけれども)、夏祭りの季節、そして、冬桜というものがあり、その季節には無料ではないのだと思います。
川が見えませんが、神流川河畔の公園です。対岸は埼玉県の神川町になります。
私は、この神流川の流れと、起伏に富んだ鬼石の古い街並みが好きです。演出されていない街並みです。対岸に見える工場は、ヤマキ醤油のもので、ここの醤油もいずれ紹介したいと思います。今日は神川町に行く余裕はありません。
細い路地は、googlemapにもありません。
昭和の雰囲気が濃厚という言い方は、あまり適切ではないような気がしますが、私の父の故郷である岩手町の集落の目抜通りの80年代前半は、こんな風景が広がっていました。ちょっとした食料品店、プラモデル屋、お菓子屋、酒屋などが並んでいたものです。
鬼石にも、いい感じの酒屋がありました。
岩崎酒店さんで、私は昔鬼石に蔵のあった「鬼面山」を購入しました。今は、鬼石の蔵は閉鎖して、長瀞の蔵だけになっているっぽいですが、白扇に「鬼面山」のシールを貼って、銘柄は生き残っています。山廃もとで作られており、ラベルもいい感じです。
鬼滅の刃がいっちょかみしてくれたら、もっと知名度も上がるかも?
神流川は、ここから利根川に合流します。上流は神流町、上野村です。神流町についてもいずれ紹介したいと思います。
とにかく、この水の流れに耳を澄まし、しばし何も考えずにボーッとすることで、リラックス、チルアウト、ヒーリング、言葉はなんでもいいですが、ゆっくりとして自分を取り戻す時間を得るのです。
大人は多かれ少なかれ、こういう場所を持つことが大事なのではないでしょうか。
さて、時間もなくなってきたので、私はこの鬼石北辺の温泉である八塩温泉に浸かって、帰ろうと思いました。三軒の宿泊施設があり、唯一日帰り温泉をやっている「八塩館」さんです。
やや昭和な外観ですが、HPはキチンとしていて、若い人の力が入っていると思います。日帰り温泉は650円。午後イチくらいの平日は、居心地がいいと思います。
入って、フロントで650円を払い、宴会場へ向かう廊下を抜けて、地下へ降り、大浴場があります。
三波石を使った湯船は、ほどほどの大きさですが、この時間は私1人で、打たせ湯のような給湯口の下で瞑想も可能です。温度は42度くらい、熱くもなく温くもなく、いい温度で湯に浸かれます。洗い場は6人ほど。ロッカーに鍵はないので、貴重品は預けるか、持って歩かないことです。
なめてもそこまでしょっぱくはないですが、ただ、体の温度を上げてくれる感じがして、カラスの行水の私でも、しばらくは体がほてっているくらいの力があります。血行がとっても良くなってる感じ。
湯船の写真は掲載しないですが、年代物の温泉場の割にキレイで、石の味わいがいいです。全面ガラス張りで、露天はありませんが、開放感があり、午後は、湯船に浸かりながら空を見て、来し方行く末をぼんやりと考えることができます。
冷鉱泉を沸かしたものですが、とっても温まります。
早大の漫研が来ているようです。ということは、弘兼憲史さんも来たのかしら。
短い滞在でしたが、鬼石町と八塩温泉は、私にとってのパワースポットでありまして、電車も通っていない地域ですが、桜の季節、夏祭り、そして冬に咲く桜が実は有名です。
帰ってきて、上の子と塾の勉強をしている時、
「どうして、わざわざ、時間とお金をかけて、そこまで行くの?温泉に浸かるだけなら、その辺のスーパー銭湯でいいじゃない。キレイだし、設備もあるし」
と聞かれました。
「目的を達成するだけなら、それでもいい。でも、大人は目的に至る道筋が大事な場合がある。酔うだけなら、安いアルコールを薄めて飲めばいいわけだけど、どこで、誰と、どんなタイミングで、どんな場所で、何を食べながらを考えて、そのプロセスを楽しむのが大人であり、文化ではないのか。」
と答えました。
鬼石町というロケーションで何もしないことに、私はお金と時間を払っているというわけですね。あ、もちろんnoteの題材と画を仕入れているわけではありますが。