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暴れる子も、大人が信じて見守れば、クールダウンする方法を必ず自分で見つけ出す!

皆さんは、大阪市立大空小学校をご存じでしょうか?
『みんなの学校』
という映画が以前公開され、話題となりました。

すべての子供に居場所のある学校を作りたい

「みんなの学校」HP イントロダクション

校長である木村泰子先生のもと、
不登校ゼロを目指し、
特別支援教育の対象となる子も、
自分の気持ちをうまくコントロールできない子も、
みんな同じ教室で学びます。

まさに、インクルーシブ教育を
実現している大空小学校ですが、
実際は様々な事件!?が起きていたようで、
多くの書籍でエピソードが紹介されています。
その中で、私がとても心に残ったエピソードが
ありますので紹介させてください。
今回私が読んだ本は、以下に載せておきます。

木村泰子先生が9年間校長をした中で、
一番暴れた男の子がいました。
あまりに暴れるので、
「精神疾患などの原因があるかもしれない。
それならそれなりの専門的な医療施設などに
入った方が彼のためになるんじゃないか」
と初めて感じたそうです。

職員室でそう話した時、
ある一人の職員がこうつぶやきました。
「あの子が自分の子どもやったら、
学校においてほしいな」
「自分の子どもなら、暴れようがなにを
しようが責任を取ろうとするじゃないですか」

この発言で職員室全員が一致団結し、
彼が暴れることに「困り感」を持ったり、
苦しんだりするのは止めようという共通理解をしました。
「何があっても、大空小学校へおいておこう!」
そんな覚悟ができ、全職員が一致団結して対応しました。
まずやったのは、彼が暴れることに「困り感」を持ったり、
苦しんだりするのはやめようということ。
そして、押してもダメなら引いてみようかと、
職員もみんな楽しむような心持ちで彼と向き合い始めたそうです。

次に暴れ始めた時、木村先生が彼に触ったら、当然余計に暴れた。
その瞬間、床に転がって
「あいたたたたた!あかん、腰が!腰が!」
と叫んだそうです。
すると、暴れていた彼が一瞬ふっと止まりました。
それを見て、
「ごめん、腰は治った」と言うと
またウワーって暴れたそうです(笑)

次に暴れたら、職員室に連れて行き、
段ボール箱をいくつも置いたスペースに移動させました。
好きなだけ蹴っ飛ばせるように。
そうやって暴れている中、
木村先生や養護教諭の先生は椅子に座ってコーヒーを飲み
「今晩のおかずは何?」
と世間話をしました。これは作戦通りだそうです。
彼は、耳をダンボにして聞いていました。
15分ほど経ち、彼の動きがピタッと止まって
「俺、教室に帰る」
と帰っていきました。
彼が最後に暴れたのがこの日となりました。

その後、暴れそうになった時は
校長室へ行き、天井を見上げてソファーへ腰かけます。
自分の意思でクールダウンしようとしているのです。

自分はこうすれば落ち着く
こうすればまたみんなと一緒に楽しく勉強できる

自分で見つけ出して言ったのです。
まさに、生きる力です。
そうやって1か月後、
校長室へ来た彼は、
「俺もう大丈夫」
と言ったきり、本当に暴れたり
校長室でクールダウンをしたり
するのがなくなったそうです。

この話を聞き、目頭が熱くなりました。

暴れる子供がいたら、
暴れないように大人が下手に出なければならない。

気を遣わなければならない。
まるで赤ちゃんのように甘えさせなければならない。

暴れた後の教師の大変さを考えれば、
暴れさせないようにするのが一番です。
だって楽ですから。

保護者へ暴れたと連絡するのも、
教師としてつらいものです。
できれば暴れてほしくない。

でも、そのような下手に出る行為は全くせず、
ただ信じて見守る。1人の子どもとして関わる。
そこには変な気遣いも必要ありません。
そうすれば、自分から暴れるのを止めるのです。

感受性の強い子は、周りの大人の言葉だけじゃなくて、
見えない心の中まで全部敏感に感じ取ります。
まさに、彼はそうでした。

この話を聞き、とても考えさせられました。
暴れるのも、必ず理由がある。
背景要因が存在する。
絶対自分で答えを見つけ出すと信じる。
大人が信じて見守る。

彼が教えてくれたのは、どんなにしんどい子どもでも、みんなに可能性がある。「周りの環境が変われば変わる」ということでした

「ふつうの子」なんて、どこにもいない P42

みんなに可能性がある
周りの環境が変われば変わる

簡単でいて、難しいことに我々は
チャレンジしていかなければならないと
身が引き締まる思いです。

自分なりの方法で、この壮大なチャレンジを
日々挑戦していきたいと思います。

今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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