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授業のユニバーサルデザインは、特別支援教育の指導や支援が生かされたインクルーシブ教育の1つの形である

先日、同僚の先生から授業のUDについて質問を受けました。

「この指導案に記述している手立てや方策って、UDって言えるのかな?」

私自身、過去に人権教育市指定研究発表会でUDによる授業を公開したことがあります。当時は、特別支援教育について深く学んでいるわけではありませんでした。授業のユニバーサルデザインとは何か?から学び、それを学級経営や授業に生かすという形で研究を進めていました。

授業のユニバーサルデザイン化と言えば、私は3つの言葉が真っ先に思い浮かびます。

「視覚化」
「構造化」
「焦点化」

です。この3つの視点をもとに、指導案の手立てや方策がUDとしてふさわしいか検討し、アドバイスしました。

・教室の前面掲示をすっきりとさせて、刺激を与えるようなものは極力減らすこと「視覚化」
・板書に使用するチョークは色覚特性を持つ子供でも見やすいようにチョーク自体を変えたり、文字は白のみで統一し、めあては青、まとめは赤でラインをするように全校で統一する「視覚化」「焦点化」
・学習計画を提示し、現在の学習活動やその前後の学習を一目で確認できるようにすること「時間の構造化」
・ペンや画用紙、折り紙、ヒントカード、練習用プリントの置き場所を統一し、教室の机の配置を学習しやすいようにレイアウトすること「場の構造化」
・全員が参加できるように、本時の目標や学習内容を絞ること「焦点化」

3つの視点に沿って、手立てを取れば良いのだという認識のもと、アドバイスしました。

私自身、「焦点化」「視覚化」「構図化」の3つの視点を活かした国語の授業を公開しました。

単元は、5年「大造じいさんとガン」です。

当時は特別支援教育の知識がない分、3つの視点を取り入れて授業を行うことが正義だと思っていました。

つまり、全員が分かる授業です。

・全員がワークシートに書ける。
・自分の考えを持てて、ペアやグループで全員が考えや意見を発言して参加ができる。
・全体での練り上げでできるだけ多くの子どもが挙手できる。
・最後に全員が振り返りで肯定的なコメントが書ける。

上記のことができていれば大成功であり、「これが授業のユニバーサルデザインだ!」と思っていました。

しかし、特別支援教育について学びを深める中で、日常生活で生かされ、自立と社会参加を目指すことが究極の目標であることを理解し始めました。

みんなの教育技術 「授業のユニバーサルデザインを実現する4ステップとは?」

授業のユニバーサルデザインも、上記の授業のUD化モデル表から分かるように「参加」・「理解」・「習得」・「活用」まで子どもを高めるための手立てであるなら、自立と社会参加との共通点が見えてきます。

私の以前のUDの実践は、参加と理解がメインであることに加え、「授業でのバリアを除く工夫」のみに留まっていました。真の授業のUD化を目指すには、習得や活用にまで学びの階層を高めること、発達障害の特性に応じた指導・支援の工夫を加えた授業にすべきなのです。

特別支援教育を通常学級で活かす1つの大きな目標、手立てを見つけました!

本来のユニバーサルデザインは

「ユニバーサル」とは「すべてに共通の」、「普遍的な」という意味で、「ユニバーサルデザイン」を日本語に言いかえると、「すべての人のためのデザイン」「みんなにやさしいデザイン」という意味になります。

それを授業でユニバーサルデザインの考え方で行うと言うことは
・「全ての子どものための授業」
・「全ての子どもが分かる・できる授業」になります。

これは、結局のところインクルーシブ教育の実現につながるのです。
特別支援教育の視点から考えることで
①授業でつまずきが予想される部分に注目して、そのバリアにあたる部分を除く方法を取ること
②発達障害のある子どもの特徴をふまえ、想定される授業でのバリアを生じさせる原因を除くための手立てを取ること

4階層のどこを意識した授業UDを行うかによって、配慮すべきところが絞られてきます。

詳しくは、

をご覧になっていただければと思います。

・まずは参加すること
・理解させること
・理解から習得し、身につけさせること
・活用すること

それぞれの4階層から全ての子どもが分かる手立て、みんなに優しく理解につながる手立てを取ることが、授業のユニバーサルデザインなのです。
特別支援教育の知識が、通常学級に活かせる手立てとなるのです。

今後、授業のUD化について改めて研究していきたいと思います。
noteの記事にもUDの実践事例を定期的に載せることができればと思っています。

今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださりありがとうございました。

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