「特別支援教育の専門性とは?」の答えは、2つである
皆さんは、
「特別支援教育の専門性とは何ですか?」
と聞かれたら、何と答えますか?
これは、明確な1つの答えはありません。
1人ひとり考えや意見は違いますし
小学校、中学校、高等学校…
それぞれの特別支援学級を
受け持つ先生方によって
様々だと思います。
特別支援学校に勤める先生方にも
確固たる専門性があるでしょう。
私は、小学校在籍の教員として
1つの明確な答えを持っています。
①特別の教育課程が編成できること
②自立活動の学習計画が編成できること
特別の教育課程とは、特別支援学級で規定されたもので
学級の実態や児童生徒の障害の種類や程度などを考慮して
以下の3つの教育課程の編成を柔軟に対応できます。
特別の教育課程とは、通常学級ではできません。
特別支援学級に許された特別の教育課程なのです。
児童生徒の障害の程度や実態を考慮して
最適解を出す必要があるのです。
これは、とても難しいことです。
なぜなら、「特別」なので
教科書が無ければ
ゴールもありません。
あるのは、目の前の児童生徒だけです。
ぶっちゃけて言うと
手を抜こうと思えば抜くことはできます。
通常学級では、全国統一の学習指導要領があり
それに応じた教科書があります。
終わらせなければなりません。
確実に、全ての単元や学習内容を
修了させなければなりません。
特別支援学級は、それがないのです。
自閉・情緒特別支援学級においては
当該学年の学習指導要領を
取り扱わなければならないので
一概に全ての特別支援学級が該当するわけではありません。
いずれにしても
特別の教育課程を編成し、
児童生徒の障害の程度や実態を考慮して
学習上や生活上の困難さを改善・克服できる
自立活動の授業をいかにできるかが
専門性があるかどうかの分かれ目になります。
また、知的特別支援学級については
いかに児童生徒の実態を把握し、
各教科の目標・内容を
どの下学年の、どの教科の目標・内容に替えるか。
もしくは、知的障害者である児童生徒に対する
教育を行う特別支援学校のどの各教科やどのような形態に替えるか。
これが適切であれば、確実な成長が期待できます。
目標や内容が合っていなければ
簡単すぎてつまらなかったり
難しすぎて意欲が減退し
失敗体験を積んでしまう危険性があります。
だから、専門性なのです…!
・確かな障害別の特性や知識
・各教科の学習内容や指導方法の知識と指導技術
・児童の実態を正確に把握できる観察眼
これらがなければ、とてもやっていけません。
逆を言えば、
なくてもなあなあで1年は過ぎるかもしれません。
子どもは、意味のない、成長しない1年になります。
教師としての責任を果たすことができないのです。
中には
「自立活動が好きなんだよね~」
と言われる先生がおられます。
こんな先生は、専門性があると判断できます。
教師自身が面白さ、楽しさを把握し子どもに還元できるからです。
おもしろくなければ、子どもはノリません。
まずは、教師自身が面白がる。それが、子どもに伝染する。
遊びの要素がある活動の中で、主体性を持って取り組むことができ
自然と困難さの改善・克服へとつながっていきます。
最後はシェアリングして
「どう成長したか?」
「どう行動が変容したか?」
など言語化させることで
より自立活動が意味のあるものになります。
ここでは自立活動の指導について詳しく触れませんが
専門性には、自立活動の指導技術も含まれてきます。
特別支援学級における特別の教育課程を編成するにしても、小学校の目的及び目標を達成するものでなければならない。
特別支援学校小学部・中学部学習指導要領を参考とする。
つまり、専門性について考える際
特別の教育課程を編成できる技能とスキル
自立活動についての知識と実践力を
持っておくべきなのです。
繰り返します。
特別支援教育の専門性とは
①特別の教育課程が編成できること
②自立活動の学習計画が編成できること
です。この2つには
障害種別の特性の知識は必須です。
各教科の知識も必須です。
これまで触れませんでしたが
個別の教育支援計画の作成にもつながってきます。
ぜひ、特別支援教育に携わる方々には
この2つを意識して指導に生かしていただければ
と思います。
今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださりありがとうございました。