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飲食させる本屋ってアリ?ナシ??

出版業界がキツいというのはもう10年くらい聞いているのだけれど、実際のところはどうなのだろうか??

1996年頃からず〜っと右肩下がりの市場規模、ここ数年は電子出版が増えたことで横ばい状態に持ち直したが、実際は電子出版が紙の出版のニーズ部分を食っているところもあり、ここから右肩上がりは無理そうである。

そんな状態の中で街の本屋さん、つまりネットショップではないリアル書店はかなり厳しい状態でがんばっている。

書店というとまず売り場面積がかなり必要であり、さらにストックなどの収納部分も必要、その割には売上がすごく取れるという業態でもないので普通に新規で出店するのは難しい。

なんせ書店が入る面積で飲食店や物販店なら3〜5店舗くらい作れたりする。じゃあ本屋さんは5軒分の家賃を払ってくれるのかというと、それは厳しいから商業施設の場合はかなり休めの賃料で書店さんを誘致している。施設全体の付加価値をあげるために。

だが、街場のビルだとそうもいかない。結局はビルの1フロアを丸ごと本屋さんに貸すより、バラバラにして色々なお店を入れることになる。賃料的にもそっちのが良いよね、ってなってしまうのが資本主義の悲しいところだ。

だからこそ書店側も生き残りと市場規模拡大のために色々と試行錯誤をしている。今日はそんな試行錯誤の中で、書店内にカフェを作ってそこで自由に本が読めるようにしたらどうだろう?という試みの話。

上述の方の指摘は「通常の書店に並んでいる本は出版社のもので、売れなかった本は返本される。それを飲み食いしながら試し読みしたものが返本されるとなるといかがなものか?」と言っている。その通りだとは思う。

実際はブックカフェ併設店舗で取引するとなると、そのリスクも踏まえた契約をして本を卸してもらう事になるんだろう。

アリかナシかで言えば、汚れた本が返本されちゃうのはナシ。自前で責任とって買い切りの商品ならアリ。っていうところだろうか。

ブックカフェは別に新しい試みではない

ブックカフェという業態自体は別にめっちゃ新しい試みではなく、蔦屋書店がやっている代官山T-SITEなどでもずっと前からやっている。

渋谷のBOOK LAB TOKYOもそうだし、高円寺のアール座読書館や、国分寺の胡桃堂など、小規模ながらこだわりの世界観をもつお店が本というメディアを上手に取り入れてそこで過ごす時間を作り出している。

ではどうして街の書店はブックカフェを併設しないのか??

いくつか理由が考えられるが、まずはお客さんにお茶やコーヒーを無償で提供して休憩スペースで自己責任で本を読みながら飲んでいるなら問題ないが、お金をもらって提供するなら飲食店営業許可が必要になる。

そうなると本屋以外に厨房とトイレのある飲食店をもう一つ作ることになり、当然そこにはスタッフが必要になる。

そしてカフェという業態は薄利多売が基本だが、ぶっちゃけると儲けるのが難しい。さらに本屋。これも儲けるのが難しい。

どんどん回転してもらってナンボのカフェで、ゆっくりと本を読んでもらう…カフェの方は売上はあがらないだろう。

さらに3時間コーヒー1杯で読書を楽しんで、その本は読み終わったから買わずに帰られたら…店の売上は赤字になる。3人に2人くらいが買ってくれるとしても、残り1人が買わずに帰れば利益は吹き飛ぶだろう。


飲食させる本屋で儲けるには?

こんな風に、普通に考えるとブックカフェはビジネス的に厳しい。

逆に通用するパターンはどうか?どうすればいけるだろう??

T-SITEのような高付加価値の要素として、ブックカフェ単体の営業利益は度外視して全体でみる方法が一つ。

高円寺のアール座読書館や、国分寺の胡桃堂など、読める本を店側がセレクトして世界観演出のメディアの一つとして本を使う方法…

つまり、コーヒー1杯の単価も高く、スイーツセットなど追加の商品も多く、本はあくまでもパラパラめくってそこでの時間を楽しむ小道具にしてもらう方法が一つ。

他にあるとしたら…ブックコンシェルジュがマンツーマンでついて相談に乗り、その人のためにオススメの本を何冊も選んでくれるブックカフェなどはどうだろう?

選んでもらった10冊くらいから試し読みをして、気に入ったものを数点買って帰るような仕組みだ。都心ならいけるとは思う。

あとこれはうまくいくか正直自信はないのだけれど、一人でしっとり飲みながら本が読めるBarはあっても良いと思う。

誰とも話したくはないけれど、一人で過ごすのもイヤ、適度な距離感で誰かのいる空間で一人だけで過ごしたい…みたいな、わがままな気持ちの人が文庫本でも読みながらしっとり過ごせるBar…アリだと思う。


長々と色々書いちゃったので今日の妄想はこれくらいにしておこう。

ブックカフェ、やり方次第ではおもしろそうではある。

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