乗客 (1分小説)
「12名さま、全員ご乗車されました」
「了解」
運転手は、マイクロバスのドアを閉め、静かに発車した。
12名?11名の間違いでは?
私は、振り返り、座席を確認。
やっぱり、自分も入れて11名だ。
「行きの道では、たしか『11名さま』って言ってたよね?」
隣の席に座っていた母に、たずねる。
「帰りは、お父さんも一緒だからね」
母は、両手に抱いた、白い箱に目を落とした。
マイクロバスは、夕暮れの車道を、ゆっくり走っていった。
「12名さま、全員ご乗車されました」
「了解」
運転手は、マイクロバスのドアを閉め、静かに発車した。
12名?11名の間違いでは?
私は、振り返り、座席を確認。
やっぱり、自分も入れて11名だ。
「行きの道では、たしか『11名さま』って言ってたよね?」
隣の席に座っていた母に、たずねる。
「帰りは、お父さんも一緒だからね」
母は、両手に抱いた、白い箱に目を落とした。
マイクロバスは、夕暮れの車道を、ゆっくり走っていった。