時短からフルタイムへ 変化の多い環境に飛び込み重ねた挑戦 コーポレート部 平賀彩乃
幅広いバックオフィス業務を担当する平賀彩乃さんは、新卒後から専門商社で10年働いたのちに、創業翌年の2022年9月に当社に入社。未経験の業務に次々とチャレンジしてきたことで得られた心境の変化、育児中での働きやすさ、今後始まっていく管理会計制度の取り組みなどについて聞きました。
コロナ禍で自分の人生を見つめ直し、転職へ
当社ではどんなお仕事をされていますか。
名刺の肩書きは経理担当なのですが、他にも労務、総務、時には情シスと、バックオフィス全般を担当しています。
未経験の業務ばかりだったのではないでしょうか。
はい、前職では審査の専門部署にいたので、バックオフィス業務全般について知らないことばかりでした。毎日成長しかないです。粛々と、会社が道を踏み外さないように補強して、先に穴をふさぐ。そんなことを続けています。
前職の商社では、入社以来約10年間、審査部門にいらっしゃったんですね。
与信管理といって、肩代わりした代金を回収できなくなるリスクを抑えるために、取引先の企業の信頼性を調べる仕事をしていました。
入社3年目に子どもが生まれ、それ以降はずっと時短勤務をしていました。勤務時間が固定で出社必須だったので、時短勤務以外の選択肢がなかったのです。
それで、転職を考えられたのでしょうか。
それもありますが、コロナ禍で自分が本当にしたかったことを見つめ直し、改めてよく考えたということも大きいです。
もともと人と関わるのが好きで、学生時代はテレアポ、販売など様々なアルバイトをしていました。会計を専門に学んでいましたが、興味を持った鉄鋼の分野で人と関わる仕事をしたいと、営業職を志して前職に入社しました。ところが入社後は審査の部署に配属され、そのまま10年が経ちました。
コロナ禍で他の人との距離ができて、改めて自分の人生について考えました。ずっとこのままでいいのかな、私の好きなことはなんだったっけ、と。
これまで同じような仕事をずっと続けてきたので、自分が何ができるのかわからないし自信もない。それでもとにかく何者でもない何者かになるためにもがき続けたい。
特に子どもができてからは、家族のためにと自分を犠牲にしてしまうことが増えたので、人生を振り返ったときに後悔がないように生きていきたい。子どものためにも私が率先して泥まみれになって挑戦していきたいと思ったのです。
そんなタイミングで、当社を知人から紹介されました。鉄鋼業界で、しかもまだ数人規模と社員と距離が近い。これはもうご縁だと思いました。すぐに会社が潰れてなくなってしまったらどうしようという不安もありましたが、おかげ様でその後は順調に成長しています。
前職の同期だった夫は私よりも先に前職を退職し、コンサル、銀行、ベンチャー企業などを渡り歩いていました。その夫から「もっと外の世界を見たほうがいい」と背中を押してもらえたことも大きかったです。
未経験のバックオフィスで3つのSaaSを導入
これまで、メンバーが働きやすい環境の整備に取り組まれてきた姿が印象的でした。
2022年秋の入社以来、大きく3つのSaaS(Software as a Service、インターネット経由で利用できるアプリなどのサービス)を導入してきました。
SaaSはあくまでも箱であり、会社によってニーズが違うので、その箱の中をどうアレンジするかを考えるのが私たちの仕事です。導入するだけではうまくいかないのが難しいところです。
入社後2カ月程度で導入した勤怠管理システム導入時はかなり苦労しました。
労働基準法や会社の就業規則などの規則類の理解が追い付かず、細かい設定内容を決めるのにかなり時間がかかったのです。
導入後もきちんと残業時間を集計できない、申請が飛んでこないなどのトラブルが多発。勤怠をきちんととれないとみなさんの給与に直結するので、なかなかしんどかったです。
最初に苦労した分、成長できました。だんだん他の人を巻き込めるようにもなっていきました。
昨年に導入した経費精算と請求書のサービスの時は、テスト項目がたくさんあったので、パートさんや他の社員にも協力してもらいました。今は新たなシステムの選定時は、出社時にオフィスにいる人に呼び掛けて、どんな仕組みがあったら便利かその場でぱっと聞いて参考にすることも多いです。
当社に入社してからのご自身の変化をどう考えておられますか。
私の働き方のマインドがかなり変わりました。以前は間違いを冒して他の人に迷惑をかけてしまうのが怖くて、120点の正解を出すために時間をかけて働いていました。
今はとりあえず速レス、分かる範囲でのみ答えるなど、とにかく手を動かすことを心掛けています。到達度への心理的ハードルが下がり、60点でも明日までにやろう、というマインドに変わりました。
私にとっては全てが初めての経験のなかで、間違えても仕方がないからとにかくやってみよう、他の人にも未経験のことばかりでみんな間違えるし、やりながら調整すればいいかと考えられるようになりました。
「とにかくやってみよう」という姿勢が許容されている心理的安全性の高さが、仕事への姿勢を前向きにさせてくれました。
育児にも励む世代の多い環境
当社で育児中の女性として、不自由を感じることはなかったですか。
誇張なく、何一つなかったです。私が入社したときにはすでに別の女性社員がいて、パートにも初めての女性が入社した頃でした。
前職は時短で働かざるをえなかったのですが、今はフルタイムで働けています。
それは、会社が在宅勤務を許可し、フレックスタイム制を導入しており、在宅でも業務ができるように仕組みを整えてきたからです。
週に2~3回は往復3時間ほどかけて出社していますが、毎日夕方には子供のお迎えのために早めに帰宅しています。
男性のほうが多い職場ではありますが、子育て中のお父さんが多く、育児中の働き方については職場全体として理解があります。
子供が病気になったら休んだり在宅勤務に切り替えたりするといった対応は、他のメンバーもごく当たり前のようにしています。
育児中のメンバーの働きやすさには、制度だけではなく、会社の雰囲気も大きく関係すると思います。
7月には米国にご家族ごと拠点を移される西岡CEOの壮行会があったのですが、「メンバーの家族も呼ぼうよ」という声が自然と上がりました。そういう声が出てくるのはいい会社だと思います。
30歳代後半がボリュームゾーンの会社ですが、みんな家族あって働いているんだという意識は浸透しています。
新たな財務管理の仕組みも検討中
10月には、原価管理システムの構築・運用に向けた取り組みも始まります。これまでの取り組みや現状の課題をお聞かせください。
原価管理とは、製品の開発・生産において生じた原材料費などの原価(コスト)を管理することです。
当社の場合、金属リサイクル装置、金属の還元装置、3Dプリンティングの装置など複数種類の装置を製造しています。競合がおらず、これまで世の中になかった装置を売っていくために、価格を自分たちで決めていかなくてはなりません。
また装置の設計、できること、価格などの全てが固まっていない状態で開発を進めているので、納期が間に合わない、想定よりもコストがかかったなど、想定と違うことが頻発します。
装置開発のコストをリアルタイムで把握して経営層に情報を届けることで、余計なコストを省くとともに、装置のプライシング(値段決定)の判断材料にできるのです。
年内を目標に原価管理システムの運用を始められるように、新たな仕組みの導入を目指しています。
人もリソースも限られている中で、ゼロベースで設計していく大変さはありますが、自分の手も足も動かし、現場の人と対話しながら一緒に仕組みを考えていくことができます。
すでにそうした仕組みが出来上がっている大企業では経験できない面白さがあると思います。
当社で働いて感じるやりがいについてお知らせください。
会社の事業がどんどん拡大し、フェーズが変わっていくなかで、毎日のように状況が変わっていきます。日々の対応に終われるなかで、コーポレートがすべき仕事の内容も変わってきています。変わっていくことがそもそも面白い。
自分で手を動かし、足を動かした成果が現場に出ていくのを見るのは、今まさに自分が会社をつくっている、会社を育てているんだという実感があり、かなりいい経験をさせてもらっています。
バックオフィス業務は、会社として求められていることはどの会社でもあまり変わりません。
ただ大手とは違い、限られたリソースの中での最適解を探る面白さがあります。スピードの速い環境を楽しめる人なら日々エキサイティングに過ごせるでしょう。
コーポレートは特に今は正社員は2人と人が少なく、初めて経験することがとても多いです。年明けには我々初の、オフィスの引っ越しが控えています。
経験がないからと立ち止まっていては何も進まないので、とにかく手も足も動かして前に進める、最後までやるという意識で仕事をしています。そういう働き方ができる人にぜひ来てほしいです!
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