1時間でパラダイス!歴史にパンダ、グルメと温泉。南紀白浜いちどはおいで。
近場で温泉に行きたいなー、といえば。関東にお住まいの場合は箱根、熱海、小田原あたりが車でも電車でもちょうど良い距離感ですよね。もうちょっと足を伸ばしたい、という場合は、伊豆、群馬や金沢、山梨あたりでしょうか。距離でいえば、1時間から2時間までの間で着くところが理想的なイメージ。そんな距離感で気楽に行ける、素敵な選択肢が他にもあるんです。羽田空港からフライト時間たった1時間で着く、和歌山は南紀白浜です!
南紀白浜はその名が表す通り素晴らしい白砂の浜が続く自然あふれる場所。
そして、白浜温泉は日本三古湯のひとつ。豊富な湯量が自慢の、有馬、道後にならぶ温泉地です。美しい海辺を眺めながら、夕陽が沈むまでのんびり温泉に浸かる....なんていう贅沢が叶う地なんです。
たくさんの自然に囲まれ、綺麗な海、そして温泉。これだけでもじゅうぶん癒されますが、胃袋までも満足させてくれちゃいます。豊かな海で獲れた魚介があなたを待っているんですよ!当然最高においしいです。白浜で食べるなら何が一番いいか、って、とにかくまずはクエを食べてほしい!
これから旬を迎えるクエを鍋にして、あつあつの温泉と楽しむツアーなんて最高じゃありませんか?
「クエってなによ?聞いたことあるけど食べたことないし」はい、わたしもそうでした。
クエは、水揚げ量が少なく、幻の高級魚といわれています。コクのある白身で、ひとたび口に入れればほろっとほどけて、脂が乗っているのにしつこくない。ぷるぷるの皮の部分やしっかり締まった骨近くの身の味わい、さまざまな食感が楽しい、他にはあまりないお魚です。
旨味はふぐにも匹敵すると言われています。お刺身や唐揚げ、お鍋など、食べ方もふぐに似ているかも。
いちばんの旬は冬です。脂が乗り始める11月から3月頃がおいしいと言われています。卵を抱えた夏や産卵を終えた夏終わりから秋にかけての脂のノリも、通の人には好まれるとか。「アラ」という別名で九州でも漁獲され愛されるお魚ですが、和歌山の沿岸で獲れる名産物としても知られています。
というわけで、せっかく白浜に来てんから、天然のクエ、食べていきよし。ということで、天然のクエのコースを楽しめる、「風車(ふうしゃ)」に行ってきました。
大きなクエがお出迎え。
予約をして、コースをいただきました。
歯ごたえと脂の甘味が楽しめるお刺身は日本酒でいただきましょう。
フグよりだいぶ大きめの、ひれ酒でお鍋へのプロローグを飾ります。
メインのお鍋では骨つきの部分、そのまま食べられる腹身などが併せて出ます。身が厚くて、食べ応えがすごいです。
見てください、この、ポン酢に溶け出した脂!
それなのにしつこくなくて、食べ疲れることはありません。お刺身より火を通していただく方が、この濃厚さをしっかり味わえる気がします。
最後はうまみをたっぷり含んだお出汁で作ったお雑炊で、締めです。(コースはこのほかに、小鉢やデザートが出ます)
こちらの風車さんは民宿も営業されていて、クエのフルコースが食べられる宿泊プランも用意されてます。飛行機に飛び乗ったら何も考えずクエ鍋フルコースを集中して楽しむツアーっていうのも乙ですね!大人の贅沢旅です。
そして、もっとお手頃に白浜グルメを楽しみたいあなたには、日本3大居酒屋と評されたこともある、長久酒場がおすすめ。
広々としたカウンターで、明るい店内です。
うつぼの網焼きは必食です。人気ナンバーワンです!
カリカリに焼いた香ばしい皮と、少しねっとりと歯につくような噛み心地が楽しい身は、味わいが濃くてお酒が進みます!もっと骨っぽくて美味しくないイメージだったのに...!!
しみっしみのおでんもほっとします。日替わりでタネが変わるので、おすすめを聞いてみてください。
クエは高級すぎるなあー、でもちゃんとおいしいもの食べたい!旅の気分も味わいたい!という方にぴったりなお店です。
そうそう、ほかに食べるべき名物といえば。
日本最古のファストフードともいわれる和歌山名物「めはり寿司」もお試しあれ。高菜につつまれた丸いボール状のお寿司です。わたしは宿泊ホテルでアレンジされた現代風のものをいただきましたが、おいしかった!元祖とはだいぶ違いますが、見た目も可愛い。
元祖。まんまるな形!
観光名所としてはジャイアントパンダの飼育数が日本一、ということで有名な「アドベンチャーワールド」があります。
上野動物園ではこんなにゆっくりは見られないので、好きな人にはたまらないですね。こちらのワールドですが、パンダを見るコーナーだけでなく、広大な敷地にたくさんいる動物をバスから眺めるサファリツアーもあり、ペンギンもいます。まだ羽でふわふわの赤ちゃんペンギンも見られることも。what a wonderful world!!
なんか酔っ払ってダメになった人みたいなたたずまいでしたが、ふわふわでかわいい。
大人のペンギンも。ずっと見てても飽きません。
ライオンやダチョウに乗れるメリーゴーラウンドもあります。
イルカショーも!
ね。「パンダだけなんでしょ?」とあなどるなかれ、たっぷり満喫できますので、有り余るお子さんの体力を使わせたいパパママにもおすすめです。
歴史を感じる観光を楽しみたいなら、少し足を伸ばして、全国3000社ある熊野神社の総本宮、熊野本宮大社へ。サッカー日本代表のロゴマークでおなじみ、八咫烏(やたがらす)が仕える、家津美御子大神(素盞鳴尊)が主祭神です。日本一大きな大鳥居の迫力も見ものです。
ここで入手できる「和の守り」はなんと、大人気『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦さんのデザインです。荒木先生がプライベートでよくお詣りしていた縁で携わられたとのこと。お土産にしたら喜ばれること間違いなし!
本宮は撮影禁止。行ってみてのお楽しみにしてください。
八咫ポストなる黒い郵便ポストがあって、ここから実際に投函もできるそうです。大事なお手紙、ここから出したらいろんな思いが届きそうですね。
八咫烏さん…マスクさせられちゃってる。ロボットとかキャラクターとかって、季節ものの被り物やマスクをつけさせられますよね。結構無理な感じで…大変にかわいい。たまらん。
大鳥居は少し歩いた場所にあります。畑の中に突然現れるので、ちょっとびっくりします。
こちらの田んぼで収穫されるのは主にお米だそうなのですが、その一部がもち米で、釜餅という熊野本宮の名物餅菓子の材料として使われているそうです。
もし倒れてきたら...と想像すると思わず足がすくみます。
周辺を散策すると、こんな石碑が。
この奥に、熊野本宮大社の旧社地があったのだそうです。
洪水の被害で多くを流出してしまい、残った建物を移設したそうです。先ほどまで見ていたお社は、新しく移転したものなんですね。新しくといっても、明治の時代ですが…こちらも撮影禁止のスポットなのでぜひ、行って確かめてください。
そして、このあたりでしか見かけなかった、この「熊野本宮やたがらす巻き」。サクッと薄焼きの甘い生地でカリカリの飴が巻いてあって、素朴でとてもおいしかったです。地味におすすめ。
名所・三段壁も歴史ある見どころのひとつ。平安時代、源平合戦で知られる熊野水軍が船を隠した、という伝説がある洞窟があります。
切り立った崖に白波が打ち付ける雄々しい様は、思わず犯行を告白しそうな迫力です。そんなムードですが、和歌山県の恋人の聖地として選定された場所だそうです。愛の告白にもいいのかもしれないですね。
周辺のさびれ具合もぐっときます。
岩盤が広がった特徴的な崖、千畳敷は、三段壁から車ですぐの場所です。独特の風景なので、こちらにもぜひ。
上記の見所からは少し離れますが、国の天然記念物の岩(橋杭岩)は国道沿いを走っていて、不思議な岩がある!とびっくりして止まって偶然見つけました。
この岩、逸話があって、弘法大師と天邪鬼が、大島まで橋をかける競争を一晩してできた、とか...すごい神々の遊びです。
日本の夕陽百選に選ばれた「高嶋」通称「円月島(えんげつとう)」も同じくドライブがてら見ることができます。
さすが歴史ある紀ノ国わかやま、ちょっとした風景に神秘や自然の雄大さが溢れています。
海岸の美しさだけでも圧倒されるのに、こんな景色が半島を行くだけで満喫できてしまうのです。古事記や万葉集の世界を身近に感じられて、お子さんの勉強にも、歴史に浸りたい大人にも、ぴったりです。
素晴らしい景色、太古の迫力に圧倒されつつお宿に戻ったら、最高の温泉で疲れを癒しましょう!
わたしがいつも泊まっているのは南紀白浜マリオットホテル。半露天的な温泉がついているお部屋があり、いつでも何度でもお風呂が楽しめます。おすすめ。
朝夕で景色を楽しめて、何度も入っても疲れない程よい湯質。
窓から望む景色、朝夕。
どちらも、いいでしょ。
そしてマリオットホテルは世界各国にありますが、おそらくカレーがいちばん美味しいのは南紀白浜マリオットだと思うので、どうかみなさん、ここのラウンジでシェフズカレーを食べてみて...!!ほろほろに煮込んだ牛肉がぎっしり入ってます。これ食べるためだけに南紀白浜マリオット行きたい。甘すぎず辛すぎず、本当に絶妙なレベルです。滞在中毎日食べてました。
そしてもうひとつホテルの紹介を。
和歌山に地元が近い友人が激しくおすすめの宿はこちら。
温泉サロン、すごい!!!そしてお部屋の調度品も選び抜かれていて、しっかり優雅に旅行を楽しみたい方にぴったりですね。こっちも泊まってみたいなあ。
帰りはトラディショナルなパタパタ式フライト情報の掲示板に見送られて。
八咫烏くん…こんな親しみやすい姿に変えて、こんなところにもいたの。あれ?足、2本だけど…
と思ったら、和歌山ファイティングバーズ、という野球チームのキャラクターで、正体は軍鶏でした。
人違いでしたわ。いや、鳥違いか。
さて、まさかこんな豊かな場所が、箱根と同じ時間で着く場所にあるなんて、知っていましたか??飛行機のチェックインや空港までの移動がなー、というハードルはあるかもしれませんが、ひとたび機内に足を踏み入れたら映画を見終わる暇もなくあっという間に到着です。
いつもの温泉地とは違う、ゆるやかで雄大な大自然とおいしいものを楽しみたいなら、南紀白浜、ぜひとも一度お試しあれ。
JR白浜駅のパンダ推しもなかなかかわいくて、空港からすぐの場所にあるので、観光スポットとして見に行くのも楽しいですよ!
ぎゅうぎゅうに詰められ、たまに違う仲間も押し込まれて…そしてやっぱりマスクさせられてる。きゅん。