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「おかあさん」と「おかあしゃん」

子どもは私のことを「おかあさん」と呼ぶ。
このことは特にどうってこともない。

ただし、二男は私を「おかあしゃん」と呼ぶことがある。長男は呼ばないのに、二男はなぜ「おかあしゃん」って呼ぶのか。

・甘えたい時
・困った時
・褒められたい時
・一緒におやつを作りたい時

だいたい、こんなことがあると、私を呼ぶ。
そして呼び方が「おかあしゃん」。

どうして「おかあしゃん」になるのか、二男に聞いてみた。すると、こんな答えが返ってきた。

「おかあしゃんって呼ぶと、優しくしてくれるからだよ」

え?
意識してなかったけど、対応に差があるかな?
意外な答えに、思わず面食らった。

さらに二男は続ける。

「テストの点が悪い時も、おかあしゃんって言えば怒られないよ。次頑張ろうねって言ってくれる」

…そうかな?心当たりないけどな。

確かに、「おかあさん」より「おかあしゃん」の方が、響きがかわいい。かわいいからって甘くなってたのかしら。

気になったので、長男と夫にも聞いてみた。

すると、2人からもこんな答えが返ってきた。

「〇〇(二男)にはもともと甘いけど、おかあしゃんって言われてるとさらに甘くしてる気がする」(夫)
「言い方がかわいいから仕方ないよね」(長男)

2人の証言からすると、私は「おかあしゃん」って言われると、二男に甘くしているようだ。気づかなかった。無意識のうちに、甘く接してたんだ。

でも、だからと言って常に「おかあしゃん」ではないところが、二男も巧みだ。普段は「おかあさん」と呼び、ここぞという時に「おかあしゃん」と甘えて呼ぶ。

どうやら私、まんまと二男の手のひらの上で踊らされている。チョロいと思われてたらどうしよう。

そんなことを思いながら二男に視線を移した。
すると二男は、私ににっこり笑いかけながら言った。

「おかあしゃん。爪かわいくなったね」

私が珍しく、手にネイルを施したことにいち早く気づいて褒めてくれたのだ。お上手ね。

やっぱり、この子天才的にかわいいわ。

そんな調子で今日も私は、二男に弄ばれる。それが二男の計算だとしても、喜んで弄ばれてやるんだ。近いうちに「おかあしゃん」って呼ばなくなるだろうから、それまでは次男の手のひらの上で踊らされるつもり。

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