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やなぎだ けいこの店 #18「かさぶたってどんなぶた」

★「やなぎだ けいこの店」では、日々、我が家で選び楽しんでいる絵本や店主が読んだ本・最近おもしろいと思ったもの・こと・美味しいもの・やなぎだけいこレシピ、暮らしの中の発見・・・などなど、をマガジンにまとめ、紹介していけたらと思っています。★

今日のご紹介は・・・絵本かがやけ詩 あそぶことば「かさぶたって どんなぶた」。

かさぶたって、どんなぶた?どんなぶたなんだろう?と頭の中でぐるぐると想像します。あんなぶた?こんなぶた?

「黒豚の酢豚っていいよね。」

「イベリコブタの餃子は美味しかったなぁ~。」

・・・とこの本を読む度に思い出すのです。食べ物ばっかり。

「かさぶたって どんなぶた」  小池昌代 編・スズキコージ 画

スズキコージさんの画に惹かれる。

この本は、長男が2年生の時、放課後の学校で図書室に案内され、兄が先生とやりとりする間、暇を持て余し楽しいこと探しに興じる二男が、スズキコージさんの画に惹かれて見つけた本でした。二男はその時、4歳だったかと思います。

字が読めるわけではなかったので、本のもつ雰囲気で選んでいたようです。私は、スズキコージさんの絵本が好きですが、それまで家にはスズキコージさんの絵本がありませんでした。

この本を、二男が選んで来た時は、「なんらかしらの感性ってやっぱり生活的に遺伝するのかなぁ。面白いな。」と思ったのを覚えています。

学校でその本を借りられるのは、小学生である長男だけで、二男は借りられない。長男は、「え~、また本を返すのに学校に来るの嫌。」という様子。「弟のために借りるよ!」とはならない「自分の気持ち第一優先!の長男」により、学校で借りるに至らず、次の日、図書館に行きました。

「詩」って、そもそもどんなもの?

この本には、編者の小池昌代さんの選んだ詩・18編が載っています。様々な詩人の方の詩が集められています。

「詩」の世界の持つ、自由さ。ことばのもつ響き。意味を超えた面白さ。

二男には、この「自由さ」が、パズルのピースがピタッとはまるように、しっくり来たのではないかと思います。

韻を踏む楽しさや、あえてそこを外した味わい。「こうでなくてはいけない」という型が一切ないように思える。

もしかしたら、なんかしらの型があることもあるのかもしれないけれど、そういった「限られた中での表現」だとしたら、「俳句」であるとか、「短歌」であるとかの形になるのかもしれません。
(そういった型のある表現の中でも自由に楽しむ表現者の方々も多くいらしゃるのだとはおもいます。)

そもそも、「詩」ってなんだろう?と思ったので調べてみました。

し【詩】 の解説
1 文学の様式の一。自然や人事などから受ける感興・感動を、リズムをもつ言語形式で表現したもの。押韻・韻律・字数などに規定のある定型詩と、それのない自由詩・散文詩とがあり、また、内容から叙情詩・叙事詩・劇詩などに分ける。2 漢詩のこと
詩(し、うた、英: poetry, poem; 仏: poésie, poème; 独: Gedicht)は、言語の表面的な意味(だけ)ではなく美学的・喚起的な性質を用いて表現される文学の一形式である。多くの地域で非常に古い起源を持つ。多くは韻文で一定の形式とリズムを持つが、例外もある。一定の形式に凝縮して言葉を収め、また効果的に感動・叙情・ビジョンなどを表すための表現上の工夫(修辞技法)が多く見られる。詩は独立したものとして書かれる場合も、詩劇・聖歌・歌詞・散文詩などに見られるように他の芸術表現と結び付いた形で書かれる場合もある。


わかったような、わからないような。

谷川俊太郎さんの語る「詩」とは。


この本にも登場する、谷川俊太郎さん(我が家では、もこもこのおじいちゃん!と呼ばれています。)が、こんなことをおっしゃっています。

「詩を書く」とは言葉≒記号に命を与えること

「意味じゃないものに心を動かされるのが最高

 詩の「意味」っていうのはあまり重要ではない」


言葉にしてしまった時点で、その言葉の意味に縛られてしまうこともありますが、一方で、自分の理解の範囲に入った気がして安心したりもします。

二男がこの本をくりかえり読んでは、ゲラゲラ笑ったり、暗唱したり、自分で詩をさらに付け足したりして楽しむ姿を見ていると、


「詩」とは、あらゆる意味を、軽々と超えていってしまうんだ。

と感じるのです。

子どもたちは、人は、あらゆるものは、きっと意味なんて超えたところに存在しているんじゃないだろうか、と思うことがよくあります。

あらゆる事柄に、意味があるようでいて、実は意味がない。

意味を見出し安心することもあるけれど、すべては、ただそこに存在しているだけで、素晴らしいんだよなぁ・・・。

そんなことを、子どもたちとこの本を繰り返し楽しむ中で感じています。

「あらゆる意味を超えて、自由に生きていきたい。」

そんな風に感じていたら、是非、この本を手にとってみてください。

「絵本 かがやけ詩 あそぶことば」は全5巻。巻ごとにテーマがあり、画も様々な作家の方が担当しています。

みなさんの暮らしの色が増えますように。 店主・やなぎだ けいこ


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やなぎだけいこ
学校に行かない選択をしたこどもたちのさらなる選択肢のため&サポートしてくれた方も私たちも、めぐりめぐって、お互いが幸せになる遣い方したいと思います!