分倍河原は府中市の中心地からやや西側にあり、JR南武線と京王線が乗り入れる同名の駅がある。「分配」「分梅」とも書かれたらしく(※1)、町名には「分梅」が使われている。 この辺りには遺跡が多い。なにせ“府中”だし、古代から近世まで各時代のいろいろな意味での要所であったことから、歴史が重層的に残っている。武蔵国総社として信仰を集める六所宮(大國魂神社)も近く、見所たくさんで寄り道しそうだが、今回の目的地は「分倍河原古戦場跡」と決めていた。 そう、新田義貞なのだ。鎌倉末期こ
多摩川沿いを自転車で走り、府中へ出かけた。 日の出前の早朝の堤防は人もまばらで、下手くそな自転車乗りにとっては安全この上ない道程だ。日がうっすら昇り始めると、遠くの多摩丘陵の景色が薄桃色に染まっている。だんだん背中に眩しい陽光が当たってきて暖かい。ふと見ると、自分の影が河原の草に伸びて映っていた。道沿いの木々からキラキラとした朝の木漏れ日が落ちている。辺りのものすべてから躍動感が伝わってくるようだ。太陽のありがたさを感じながら、ひたすら西へ向かった。 さて、東京に住ん
運動不足解消のため、三密を避け自転車散策をすることにした。今回は深大寺。車、人が少ない早朝にスタートし出掛けた。 深大寺へは調布市街地から向かうが、佐須街道を横断して中央高速の高架下をくぐる辺りから国分寺崖線を上る坂道が続く。長いダラダラ続く坂、ペダルを踏みしめながら上っていくと道の左手も下りの結構な急斜面になっている。地形図を見ると、どうやらこの辺りは台地の一部が谷状にえぐられているようで、えぐれた崖の端を台地の上部に向かって走っていたようだ。深大寺は、坂の中腹、つまりは