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#由き良き

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海と山の間にある町にふわっと移住してみたら、見えてきたのは自分だったりしたっていうはなし、
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青に近いむらさきと、

咲きはじめみどりに近い白だった。 3日くらいで青かむらさきだとわかって、 赤やピンクではないことが判明した。 夕方の小雨はやっぱり似合っているように見える。 一週間くらいで、はっきりと青だとわかった。 でもその隣は青に近いむらさきみたいだった。 それまでは緑の大きな葉っぱばかりが目立っていたのに、 青と青に近いむらさきが増えると、 不思議と緑の葉っぱは脇役にまわったみたいだった。 それはもしかすると私のエゴかもしれないから、 明日は緑に注目して、その前を通りすぎ過ぎようと思

うさぎとりすと時々ハリネズミ

自作でパソコンが作ることが趣味だという彼が 見かけとは全く一致しない、 メルヘンチックな直方体の箱をもってきてくれたのは お昼休みに入ったくらいだった。 側面の正方形の面には「HAPPY」と書かれていて、 何処で手に入れたのかを聞いてみると、 近所の100均らしかった。 それを選ぶ彼を想像するだけで、 なんとなくふんわりした気持ちになる。 昨日1日、仕事に付き合ったお礼と 今日が上司が誕生日ということを聞きつけて、 どうやら作ってくれたらしい。 箱の中に規則正しく並んでいる

都会でこじらせたから、田舎に移住した。

朝起きて、洗濯やら掃除をして、 布団をほして、朝ごはんを食べて、 書類の整理をして、 適当にTwitterやら、 Facebookをスクロールして、 誰が書いたかわからないnoteの文章に 吸い込まれたりもして、 ケーキを焼いている合間に シャワーを浴びてみたり、 読みかけの本を読みかけたり、 お昼ご飯を食べながら、 考え事をして、 洗濯物と布団をといれたりして、 突然、何も考えたくなくて ゲームを始めてみたり、 野菜室の様子を見て、 ジャーサラダを作ったりもした。 お腹がい

濁点

台風が通りすぎた次の日は 朝も風が冷たくて、下り坂ですれ違う風は、 少し寒いとさえ思った。 チェーン取り替えたての自転車で 町にひとつしかないスーパーに 寄ったあとの帰り道、 20時前の道は真っ暗そのもので、 自転車の無灯火が 良くないとされる意味がはじめて解かった。 帰りのピークは大体16時を過ぎたころから 18時半くらいまでだから、 車の通りも比較的少なくて、 たまに、真横を横切る車は ハイビームを装備していることが多い。 真正面からの車は私の存在に気が付くと それを

まごころ

職場にたどりつくまでの最後の坂道、 気合を入れてペダルを漕ぐと オモイキリの良い音が足元で鳴った。 信号が変わらないうちに 冷静に向こう側へ渡る途中 振り返ると案の定チェーンは綺麗に切断されていた。 今日は会議が重なって、 お昼休みもほぼ存在しないようなものなのに、 とりあえず誰に聞いたら直す場所がわかるのかを 考えながら駐輪場に自転車を止めた。 はじめに会った職場のお姉さんに 今朝の自転車の件を相談すると 「それは大変!」と 自転車屋さんを教えてもらうだけにとどまらず、

直球勝負

「先週の中日2日くらい、 もうどうにかなりそうで 夜中に泣きながら友達に電話しましたよ」 笑いながら、 事後報告でも弱音のようなものを 吐けるようになったのはここ最近の話で、 2カ月かそこらへんで仲良しになった ひとまわりも異なるお兄さんたちは 「そらそうやろな」 と、慰めとはちょっと違うニュアンスで 一緒に笑いとばしてくれた。 ******* 「先週末は友達が遊びにきてくれたんです」 どちらかというと、 明るい話を改めて振ると、 「あれやろ、心配してその子、

ゴールテープ

職場までの坂道をいつも通り自転車でくだっていたら、 クラクションを鳴らされた。この間も鳴らされて、 確かにあの日は水たまりをよけて車道にに寄ってしまったから、 申し訳ない気持ちでいっぱいだったけれど、 今日はそれも気を付けていたのに、、、と思った瞬間、 乗っていたのは漁協でお世話になっているお父さんだった。 クラクションは鳴らされたのではくて、 鳴らしてもらったんだった。 別に何せず通過してくれても良かったのに、 精神的にあまり元気ではない今のあたしには暖かすぎるこころ配り

暫定1位

一昨日漁協でしめたばかりのアジをもらった。 昨日、同じ漁協でしめたばかりのアジをまたもらった。 アジさばきを職場から宿題として出されて、 挑むまで思う存分気合を入れて、 一昨日は1時間ちかく時間をかけて3枚におろすことに成功した。 成功というより達成といった方がいいのかもしれない。 昨日はそれにプラスして漁協のお母さんに 美味しい食べ方を教えてもらった。 味付けも調理方法もいたってシンプルかつ簡単なのにも関わらず、 美味しいで表現するには足りないほど美味しかった。 独り

うめぼしがとてもおいしかった

あさいちスケジュールを確認しながらうめぼしの話をしていたら、 職場のお姉さんが「うめぼしいる?」と声をかけてくださった。 「はい、食べます!」 と返事をすると帰り際にはお手製のうめぼしを かわいい袋に入れて持たせてくれた。 休み時間にお菓子を持ってきてくれたり、 道をあるいているとお茶をもらったり、 いつも貰ってばかりで感謝しかなく あたしにできることは何だろうかと プレッシャーになったりするタイミングがないわけではないのだけれど、 それもまた糧にしようと思ったりもして

目前に突如映画のワンシーンが飛び込んでくる

漁協のお父さんに連れられて、 組合所の隣にある思ったよりも急な階段を登りきると、 シャンとしているというよりは凛としてるお社がたたずんでいて、 中をのぞくと疲労度と無駄な感情がすーっと風にもっていかれる気がした。 南国の木が生い茂っているとお父さんは教えてくれて、 海の上の山道は、クーラーの要らない 天然のお涼みスポットらしく冷えた麦茶なんかがあったらきっと、 頭の中の整理もちゃちゃっとできちゃうんじゃないかなーなんて。 とか考えているとこの間流行った映画のワンシーンが

嫌いなものリスト

駐輪場の横にこの町では大きめな川があって、 大雨のせいか今日は水かさが多いなと感じていたら、 午前中の外回りを終えて駐車場の車を置くころには完全にひいていた。 この町の大先輩はこの時間帯は魚が釣れないと教えてくれた。 満ち引きの時間帯で釣れる釣れないがあるなんて知らないし、 やっぱりそんな話題は街で電車に乗っていると出てこない話だ。 そんな釣りずきな先輩が周りに多いと ジッと魚を待っている釣り嫌いなあたしでも興味をもちだしてしまう。 お昼からは散々甘夏について考えていたり

実は自動操縦機能らしい、

今朝は4:40に目覚ましが鳴った。そう設定したのがもちろんあたしで、オルゴール調の緩やかな旋律は思いのほか、優しく起こしてくれた。昨日は21時の町内放送の時間には布団に潜り込んでいたように思う。 就寝時間はこの2週間で3時間前後前倒しされている。はっきりとした夜が来ない街で過ごしていた時には何回挑戦しても失敗に終わっていた「早寝早起き」は意識せずとも身体が環境に合わせて自動で実施してくれている。つい先日までのように「頑張って眠る」とこともなければ、「無理して起きる」こともな

After5のすごしかた。

素敵なアフターファイブの過ごし方を教えてもらった。 仕事の帰り道、海沿いを車で走っていると、 職場の方々がスーツのまま海にルアーを投げている。 おきいにいりのルアーとか、最近釣った魚の写真をみせてくれたり、 これは、都会でいうと何にかわるんやろか。と考える。 芸能人Instagramの更新が面白かったとか、 なんとかっていうユーチューバーの なんとかっていう企画が面白かったとか、 そんな会話に変わるんやろか。 「釣り」って休みの日に早朝からイベントチックに 気合入れてい