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濁点

台風が通りすぎた次の日は
朝も風が冷たくて、下り坂ですれ違う風は、
少し寒いとさえ思った。


チェーン取り替えたての自転車で
町にひとつしかないスーパーに
寄ったあとの帰り道、
20時前の道は真っ暗そのもので、
自転車の無灯火が
良くないとされる意味がはじめて解かった。


帰りのピークは大体16時を過ぎたころから
18時半くらいまでだから、
車の通りも比較的少なくて、
たまに、真横を横切る車は
ハイビームを装備していることが多い。
真正面からの車は私の存在に気が付くと
それをそっと解除してくれるから、
また少し、暖かい気持ちになる。


新品になったチェーンは
10分くらい漕ぐと、
ガリガリという音から、
カリカリという音に変わった。
たまにズレたような
ガコンというリアクションにも
少し慣れてきた。
強く踏ん張りすぎた時には思わず
「ごめん!」
と声がで出てしまう。
自転車屋さんで、
チェーンが新しくなったときは
かみ合わせがわるくなるから、
暫くガタガタと音がするけど心配しないでね。
と声をかけてもらわなかったら、
数分前のガコンという音と同時に
かみ合わせを悪くしすぎて
回らくなったペダルに
異常にバタバタしたのだと思う。




慣れた道を、ゆっくり漕ぐのも悪くないと思う。


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