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定食屋「雑」 原田ひ香 読書感想

夫の健太郎がだんだんと体重を増やしている
外食して帰ってくるからだ
定食屋「雑」に通っていると知り、沙也加はその店に行ってみる
雑の女主人は浮気相手にも見えない 雑の定食の味はとにかく甘い
何が惹きつけるのだろうと沙也加は雑に店員募集の貼り紙を見て、申し込みをした


健太郎の言い分もわからなくもない
序盤の沙也加は食べ方を認めない、押し付けすぎている
これでは息も詰まるし、別れも考えても仕方ないとも思う

しかし離婚協議中に女作って、家賃半額ですか、そうですか

話が進んでいくごとにみみっちくなって、結局沙也加の方が逃げ出したくなる本性を出してきて笑ったわ
もう関わらないほうがいいし、なんなら年取ったら病気になりそうとしか思えないんだわ


雑はもともと雑色(ぞうしき)が正式名
女店主・ぞうさんの色々な過去、以前働いていた職場での嫌な出来事がリアル
いい人だと思っていた息子さんも結局はそういうもんだなという嫌な部分もまた現実にいそう。緊急事態ほど余裕がなくなる反応は普通っちゃ普通だけれど、後からこんな対応しなきゃよかったなんて思い返したりするのだろうか


常連の高津さんの娘の子供達が騒ぎ過ぎてマンションの階下の人が二組も引っ越しして、でも自分達は悪くないと息巻いているのも怖かった
引っ越しした人には同情しかない
一軒家に移動できたからよかった


色々ギスギスやらあったけれど、ラストは収まるところに収まってよかったという終わり方
ずっと食べたくなるお店があるって幸せだ

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