2021年で読んだ本で厳選10冊
2021年も面白かったという本に沢山巡り合えました。
その中から10冊選んでみた。
リボルバー 原田マハ
オークション会社に持ち込まれたリボルバー。ゴヤの死に関係した物かもしれない。この設定が面白い。ゴヤとゴーギャン、この二人の関係性も知れることが出来る美術ミステリー。 フィクションとは思えない一冊。
丸の内魔法少女ミラクリーナ 村田沙耶香
変容 この短編が面白かった。
流行語大賞で聞いたことのない言葉の意味を知り、理解して自然と使う感覚を見事に書いてある。流行語に限らず知らない言葉や作業を取り込み自分の知識として取り込んでいく、変容というのも全て馬鹿には出来ないものでもあるんじゃないか。
ミッキーマウスの憂鬱ふたたび 松岡圭祐
前作との繋がりはあるものの、単体でも読めるお仕事もの。舞台が夢の国でなくても出来そうな話ではあるが、夢の国で働いているという設定だからこそ面白いのかもしれない。ところどころで顔を出す彼がまた良くて好きになってしまう。
六人の嘘つきな大学生 浅倉秋成
就活とは企業と学生の騙し合いでもある。入ってみたら条件が違う、雰囲気も違う、対して面談では有能なように見せていたけど実際に仕事となったら動けない人だった場合もあるだろう。ちょっとラストはフォロー入れ過ぎているかなと思ったがすっきりと終わっているからいいか。
マカン・マランおしまい さよならの夜食カフェ 古内一絵
マカン・マランシリーズのラスト、とは言いたくない。もっとシリーズは続いてほしいがいつか区切りはやって来る。 しかしハイ、これで終わりねという寂しい終わり方でなくて良かった。いつかまた会えるかもしれないと永遠に待っていられる。
連続殺人カエル男 中山七里
連続殺人とタイトルの様々な死に方だけじゃなく、不満を持った人達の襲撃やら意外な真相やらおなか一杯になる一冊。
犯人は誰だ、だけじゃなく暴走していく市民との攻防も見所の一つ。実際こんな事件が起きたら批判は免れないだろうし詰め寄る人達も出て来るかもしれない。
犯人の動機もそういえば伏線が、と最後まで楽しませてくれたエンタメ小説。
ずうのめ人形 澤村伊智
ぼびわんが来るよりも先に読んでしまったので、こちらが印象に残ったホラー小説。
噂話を聞いたら死ぬという子どもの頃によくあった都市伝説が現実に。
呪いを解くまでのタイムリミットもあり緊迫感の中で物語が進んで行く。
ハッピーエンドで終わらないのがまたこの小説の怖いところ。人の思いってやつは想像を超えて来る。
デブを捨てに 平山 夢明
救われなさそうな人達ばかり出て来る短編集。でも読後感が良いというのがすごいと思った。何この切なさ、とこっちが戸惑う。
表題のデブを捨てにのラストが格好良くて寂しい空気。絶対に忘れない。
ひなた弁当 山本 甲士
リストラされて再就職を考えている間に自炊を始めて弁当屋をやってみようかというサクセスストーリー。
人との縁って大事だと思うし、行動に移していくのも大事。
とんとん拍子に進んでいくが主人公はきちんと努力しているし誠実でもある。良いお話。
今日のハチミツ、あしたの私 寺地はるな
彼氏に付いて来て欲しいと言われたから仕事を辞めて実家へ行ったらモラハラ親父に認めないと宣言された上に、彼氏も味方になってくれずに挙句に地元に溶け込んだら不機嫌になったという扱いされてしまう。
この彼氏に頼ることなく自力で居場所を切り開いていく主人公に拍手。
居場所とは誰かに与えて貰うものでなく、作り出していくと教えられる。
ミステリーやホラー小説好きだから選んでもやっぱり偏っている。
しかし読むならやっぱり自分の好きなものが一番だと思う。
興味ないのを無理に(しかも趣味で)詰め込む必要はない。
2022年も気楽に本を読みます。
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