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ショコラティエ 藤野恵美 読書感想

父を亡くした聖太郎 母と慎ましい暮らしをしていた
ある日、特に親しくはないクラスメイトの光博から誕生日会の招待を受ける
大宮製菓の跡取りの光博の誕生日会は料理が振る舞われて豪勢だった
その中のチョコレートファウンテンに聖太郎は衝撃を受ける
次々と試食する聖太郎に大宮製菓の創業者、光博の祖父が話し掛けて来た


聖太郎と光博
二人の少年のそれぞれの道のりを描いた本作

聖太郎はチョコレート、製菓作りに魅せられる
光博も製菓作りは好きになったものの、極めるほどにいかない
充分とはいえない生活と、裕福な生活
成し遂げたい情熱、迷ったままの日々
二人の対比が見事に描かれている

小学生の時は格差など考えずに親しくしていたけれど、
成長するにつれて、あれこんなにお家の材料を使っちゃっていいのかと考えるのもあるある
聖太郎は光博の持つ環境に引け目を感じて疎遠を選ぶけれど、
光博は光博で聖太郎の持つ才能と情熱に、祖父は聖太郎を気に入っているのを感じてコンプレックスを感じる

気が合っているのに、もどかしいと読みながら思った

女の子が絡んでドロドロな話になるかとハラハラしたら、そんなことはなくて安心した

ラストでこの先の未来は絶対うまくいくなと思うけど、もっと見ていたかった
光博は一口食べてこれしかないと思ったのだろう
ラストページにたどり着いたとき、嬉しくて涙が出て来る
あと、美味しいショコラも食べたくなる
 

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