老い蜂 櫛木理宇 読書感想
小輪が一緒に暮らし始めた智保の元に老婆が訪ねてくる。
その日からおかしなことが起こり始める。
明らかに家が見張られている。
別の時、薫子は老人のストーカーに狙われて怯えていた。
バス停でまいても相手も追い掛けてくる。
そしてまた別の場面では殺人事件が起きていた。
夫が殺され、妻が消えている。
その妻を連れ去っているらしき人物の目撃情報で、相手が老人だったとわかる。
前半はストーカーのホラー風味
後半から別々の場面が繋がっていくサスペンスへとなる
このストーカーホラーの展開がものすごく怖かった
相手は老人でしょ?と思うが、これが一番怖い
なにしろ老人だから、交番に相談へ行ってもまともに取り合ってくれない
実害ないでしょうとか認知症でしょうねとか、そのくらい相手出来るだろうという態度を取られる
夜中にいると訴えても、認知症で片付けられてしまう。
ストーカーされている相手が男性なら、もっと話は聞いてくれないでしょうね。
相手は老人だから、あなたより弱いでしょ。だから追い払えるでしょ、で終わりそう。
付き纏われてドア越しに毎日いたとしても追い払うことはできない恐怖
相手が親切で付け込みやすそうと思ったら憑りつかれる
もう誰にも親切にできないと不信になるよこんなの
またこの理由が身勝手でかなり不愉快になる
被害者、またその家族の傷は一生消えない
気が滅入るような(褒めてる)一冊
危機感持つには良いかも。