デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 丸山正樹 読書感想
以前の職場に嫌気がさして手話通訳士になった荒井
彼の家族は全員聾者 一人だけ聞こえる主人公は疎外感を抱いて育っていた
ある日、昔起きた殺人事件の被害者の息子が殺される
事件に関わっていた荒井は今回も再び巻き込まれていく
コーダ あいのうたを思い出した
それよりも疎外感がはっきりと描かれていて読んでいて辛い
家族からは聞こえるからと通訳を当然のように頼まれて、
職場ではお前はそっち側扱いをされる
なんだこの誰もわかってくれない辛さ
コーダ あいのうたを観たときに、ヒロインの子は歌という才能があったから、それで家族に可能性と掴むためと説得して地元から離れた大学へと行けて家族も送り出してくれた
しかしこの作中では家族に送り出されるわけでなく、むしろ自分から離れようとした主人公、なので家族とぎくしゃくしている非常に現実的な姿が書かれている
一番酷いと思ったのが病院のシーン
病気を告げるのに医師の声が聞こえないから、まだ子供だった主人公に伝えてもらえるって酷いな
筆談じゃだめだったのか
事件ものなのだけれど、どうしても主人公への境遇へ目を向けてしまう
主人公よ幸せになれという感想