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息が詰まるようなこの場所で 外山薫 読書感想

タワマン文学として紹介されていた作品

タワマンには三種類の人間が住んでいるに、説得力がある。

でもこの話はギスギスとか、不倫とか、殺人事件とかではなく、タワマンに住んでいる人達のそれぞれの心の内を書いている
ギスギスだと思って読むと拍子抜けする

主人公は章ごとに変わり、銀行員の夫婦、セレブ妻、とその夫の医師がメイン

銀行員で共働き、互いの収入で一千万越え タワマン購入
これだけで充分恵まれているはずなのに周囲と比べて足りない足りない、と子供の受験にプレッシャーをかける平田さやか
一番しんどいのがこの章だった
自分でタワマン購入を選んでいるのにセレブ妻にもやもやしている姿 マウント取って来る方も大概だが、いちいち間に受けるなとこっちが息が詰まりそうになる

セレブ妻の高杉綾子は余裕あるはずなのに、何故こんな上からなんだろうと思ったら、そういうことかという背景が。
結局自分より上の人が出現すると苛々して、人と比べると不幸しかないなと思える

しかし意外にもラストは爽やかに終わったと思う
結局受験受験と親が必死になったところで、子供は子供で好きな場所に行くようになっているので、全部思い通りになるなんて無理なもんなんだよね
その夢を尊重できるかは親にかかっている
それはタワマンに住んでいる、住んでいないにも変わらない


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