ただ祝福されたいだけ
「友達の結構報告にモヤモヤする」
「素直に喜べなかったし、そんな自分が嫌」
みたいな、もうこの世で何周したんだ??みたいな感情に、残念ながら自分も囚われているふしがある。
いくらフェミニズムを学ぼうが、「疑似結婚生活」ともいえる同棲を経験しようが、思うもんは思うのである。仕方ない。
では、なぜ?
花婿のことを私が狙っていたから、とかではもちろんない。今んとこ結婚するのは女友達で、相手は知らない人だ。
ウェディングドレスが着たかった?
いやいや自分はコスプレイヤーだ。
それにミュージカルもやっているから、ど~~してもウェディングドレスが着たければそういう演目をやればいい(ところで、過去に結婚式のでてくる演目はめちゃめちゃたくさん上演したけど、一度も花嫁役をしたことはない。花婿はある)
結婚する友人にたいして湧き上がる感情は紛れもなく「羨ましいなあ」である。でも結婚という制度にあまり肯定的ではないし、自分は結婚して苗字が変わるくらいなら未婚のまま自分の生まれ持った激レア苗字を、墓標に刻みたい。
結局、自分の人生に関わった人たちから「おめでとう」と祝福を受けたい、というところに行きついた。
祝福の道が欲しい。お前は尾形百之助か。
七五三や進学や就職などの人生の節目にも家族や友人は祝ってくれたけど、各所で祝ってもらった。
そう考えると自分の人生に登場したキャラがオールスターズで集結するのは大規模な結婚式と葬式しかない。そんなの、アニメの劇場版みたいでわくわくする。
なのに、葬式は多分目視で確認できないし、素敵な衣装は着られない。
(ところで葬式で、ユーレイをデフォルメ化したあの死に装束を着たくない、シシィの白いドレスとか着たいんだけどダメかな。自分が死ぬ頃にはそういう葬式もメジャーになってそう)
要は、同じ場所に自分に関わったみんなが一か所に集って、何かを成し遂げたことを祝ってくれる、というシチュエーションに萌えているだけなのだ。
だから「入籍はしたけど、挙式や披露宴はしないの。」というタイプにはは~~~~~~!!!?なんで~!?と思ってしまう。
ガワに萌えてるだけなのだ。自分が無条件で主役のパーティ。お客さんの話題や視線が全部自分に向いて、皆嬉しそうで。自分の写真を撮ってくれる。
…ああ、なんか書いていてつらくなってきた。
よかったらプレ花嫁のみなさんや元花嫁、本当のところどういう心境だったのかコメントください。(笑)
実際そう思ってみても結婚式を前にしたら準備が大変だったり、本番中は気をつかったり、長時間窮屈な衣装で疲労したり、いろいろあるのかもしれないけど。
なにも目立ちたいという気持ちだけではなく、相棒をみつけたいという気持ちはある。結婚という枠にはめなくてもいいから、この人が相棒です!とみんなに宣伝して回りたい欲求はある。
でも結婚式は門出だ。ここ一瞬がピークで、あとは関係維持が続いていくのみ。華やかで幸せな結婚式をすればするほど、過去を振り返った時に「あの時はあんなにキラキラしていたのに」とならないのか、ちょっと気になる。
友人の新しい挑戦を応援する、見届ける。そんな気持ちで参加したい。
今後参列機会は増えるだろうが、自分の門出を祝福してくれない心の狭い友人の姿に幻滅され、友情を棒に振るのはごめんだから、自分のなかの「羨ましい」の正体を参列の度に見つめて祝福の気持ちを素直に伝えたい。