あなたの会社は大丈夫?優良企業が衰退するワケ。『イノベーションのジレンマ』
企業の衰退。ニュースで見ることも多くなってきました。
今では会社の倒産は珍しいものではなくなりましたし、大企業に入社すれば安心!なんて時代ではなくなりました。
では、あなたの務めている会社は大丈夫でしょうか?
ある統計によると、10年後も残る会社というのは全体のうち、たったの6%なのだそうです。つまり、100社ある会社のうち、94社は10年後にはありません。
ちょっとゾッとしますよね。
では、真の意味での優良企業とはいったいどういうものなのでしょうか?
一体どうして、大企業は衰退してしまうのでしょうか?
今回紹介する本、『イノベーションのジレンマ』ではそのヒントが示されています。あなたの務める企業について見返してみるいいチャンスかもしれません。
企業が衰退するワケ
誰でも知るような大企業、どうして衰退してしまうのか。
それは、単純にそこに務める人の能力が不足するからではありません。
衰退する理由には『安定を目指した経営判断がある』のだ、
とこの本では主張しています。
安定を目指した経営判断とは具体的にどういうものかと言うと、
今ある技術をよりよく改善していこうとするプロセスのことだそうです。
今わたし達がよく使っているスマホを例にします。
わたし達からすると「もっと良い性能のスマホが欲しい!」と思うのは当然のことですね。
企業はそれに応えようと、次々と技術革新(イノベーション)を続けます。
スマホの容量やカメラの性能も年々早くなっていますよね。
これが改善のプロセスです。
それだけ聞くと、いいことをしているだけなのになんで衰退してしまうんだろう?
と、意外に思いますよね。
実は、イノベーションの方法は1つではないのです。
2種類の技術革新(イノベーション)
具体的には、イノベーションの方法として、この本では
持続的イノベーションと破壊的イノベーションの2つがあるとしています。
持続的イノベーションとは、一言でいうと「顧客の声に耳を傾けよ」
ということです。
先程のスマホの例でいう、容量アップやカメラの性能向上がこれに該当します。
前からあったものを改善していく、ということです。
一方で、破壊的イノベーションとは何か。これを象徴する有名な言葉があります。
「人は自分の欲しいものを本当にはわかっていない」
-スティーブ・ジョブス-
さきほどの、持続的イノベーションとは真逆ですね。
破壊的イノベーションというのは、今までにはない新しい価値をつくることです。
例えばiphoneが出てきた当初は技術的には不十分な点が多く、携帯事業社からは、「きっと失敗するだろう」と考えられていました。
それが今やどうでしょう。今までの電話事業(電話とメールだけ)からスマホ事業(電話、メール、ゲーム、インターネット、メモ帳…etc)へシフトさせることで、全く別の市場を切り拓いてしまいました。
これは破壊的イノベーションの中でも華々しい勝利といえるでしょう。
これの厄介なところは 今までにない=市場がない ので本当に価値があるのか実はよくわからない、ということなんです。
破壊的イノベーションとは技術そのものは簡単ですが、市場自体を開拓するような新しい顧客を創造するイノベーションなのです。
ただ、前例がないことなのでiphoneのような例のほうがずっと稀です。
破壊的なイノベーションには失敗はつきものなんです。
そのため、優良企業であればあるほど、リスクを避けるばかり、破壊的な提案を退けてしまう傾向があるのです。
会社を安定させるためのリスクマネジメントそのものが、
皮肉にも優良企業を衰退させるリスクになっているんですね…。
ただ、勘違いしてはいけないのですが、持続的イノベーションは利益を上げる上で確実性が高く、企業にとっては持続的な技術も勿論重要であるということです。
イノベーションをマネジメントする。「失敗は成功への一歩」
では、どうすればいいのでしょうか?
大企業がこのような”大企業病”にかからないためには、例えば
企業内に破壊的な技術を任せる小さな組織をつくり、大組織と独立したプロセスや独立した価値判断基準をもたせること
が有効とされています。
会社の中にそういった別働隊のような部署がある会社はいいかもしれません。
また、
破壊的技術を持った中小企業を買収すること
も有効とされています。
海外でも、facebookがinstagramを買収したりしていますが、こういう理由からなんですね。
さらには、チームをマネジメントする上では「発見志向の計画」が有効とされています。
これはすなわち、TRY&ERRORを認めるということです。
仮説を立てて挑戦 → それがダメだったら見直す → それを繰り返す
書くのは簡単ですがこれって実は難しいですよね。
実務をしていると失敗が許されず、確実にこなせることを選んでしまいがちです。
ですので、企業が挑戦をする上では、失敗を許容できるような余裕をもたせることや、目標が途中で変わっていくことを恐れない柔軟な姿勢が重要とされています。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
あなたの務める企業について考えてみたときに、5年前、10年前と同じような仕事を繰り返しているようなケースだと、安定しているように見えて、実は要注意かもしれません。
安定した生活も大切ですが、挑戦する気持ちを忘れずにいたいですね。
『Who dares wins』-敢えて挑んだものが勝利する-
SAS(イギリス特殊空挺部隊)のモットーより
2019/12/13 sumi__
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