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勝負しようよ、男のさ

電車待っていたら隣に俺と同じ性別の人が来て、「お、俺もそうなんだよな実は」と思ってソワソワしてた

電車が来たから「ようやっと乗れますな、もう足腰がガクガクなのよ、本当に」と鉄塊を睥睨しながらその塊が動きをやめ、大人しく口を開くのをただ静かに見守る

そして、口が開いたので前の方へと進むのだが、ここで先刻のお隣が俺の真横よりちょい前にポジショニングしてきた

言ってなかったのだが、俺はもうこの電車が来る約8分前には列で待機していたので当然、一番最初に乗るべき人だと言うのは周りの人間が証明してくれる

が、かたやこのぽっと出の男、こいつは来る1〜2分前に列に並んだのを俺は見たぞ

お前も分かっているはずだろ、俺が誰よりも先に並びwktk(死語ですか?)していたのを、つーか見えねーのかこの俺の巨大な背中

デカすぎる背中

そうしたらよ、「お、クソ圧のある背中だな、まるで約8分前から電車を待っている男の背中だ」ってなるだろうが普通は

それなのにお前、俺よりも前に位置を付けるっつーのはどういう了見だ

お前とマリオカートして負けた次のレースとかなら分かるが、これマリオカートじゃないぞ

そうして疲れもあって他人を思いやるという心を置き去りにした俺はすかさず男の前へと出る、男には負けちゃいけない勝負がある、それは電車の列確保と大食い

そして無事に一番最初に乗る権利を得た俺様はズカズカとそのバカデカい大股で空席を確保した

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一勝負を終えた俺は、座席にもたれて余韻に浸っていたのだが、勝負というのはお互いがお互いを意識した上で成り立つものだからあいつが俺のことを意識していなければハナから勝負になんかなっちゃいないということに俺は気付いた

虚しいなあ、虚しい

本気の勝負がしてーなあ…

俺が本気の勝負をしたのいつだよ…

したことないかもしれないなあ

クソーーーーーーーーーーーーーー


















     誰かを好きになればいいやん


誰ですか

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