『悔悟』の章
第三十一章 『悔悟』
『救済』の四半分の最初の章である。
悔悟(Tawba)は三つの要素から成り立つ。即ち知識と心的状態と行為である。知識についていえば、それは罪の害悪と罪が人間とあらゆる隠されたものを覆うベールであることへの理解である。この理解に達したとき、その者の心には愛される御方(神)が通り過ぎる畏れの痛みが湧き上がる。それは後悔である。後悔の念に襲われるとき、人間は悔い改め過去に犯してしまった罪をつぐないたいと願う。悔悟とは過ちを犯すのを止め、再び犯すまいと決心し、過去のつぐないをすることである。預言者曰く「後悔は悔悟である。」なぜなら前述の通り、後悔は[犯してしまった過ちへの]理解によって生じるからである。