BtoB SaaSの料金表ページ事例4選|#BtoBマーケティング
こんにちは、金森です。
最近会った大学の同期に、「金森のnoteは、もはや2,3行目から内容が分からん笑」と言われました。なるべく誰にでも分かるような言葉遣いをしていこうと思いました。
さて、全く懲りずに今日もBtoBマーケティングに関するマニアックnoteを書いていきます。
テーマは、「料金表ページ」です。
単純な料金比較ではなく、各サービスのプラン名・料金表の見せ方・その奥に潜んだ意図などを勝手に推察し(勝手にすいません🙇♂️)、最後に料金表ページの施策をまとめています。
※2019年4月時点のページなので、更新される可能性は大いにあります。
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MIERUCA|コンテンツマーケ・オウンドメディア・SEO対策分析ツール
MIERUCAとは:コンテンツマーケティング・オウンドメディア流入改善に使えるSEO管理分析ツール。「競合分析」「順位計測」「コンテンツ作成」をクラウドで一つにまとめたツール。
株式会社Faber Company (ファベルカンパニー)が提供しています。
SEO・コンテンツマーケティングツール「MIERUCA」のサイト
トップビューにフォームを置く斬新さ、すごいです。ユーザーに「何をしてもらいたいか」が、分かりやすいですね。
珍しいケースかなと思ったら、BtoBサービスの発注プラットフォーム「アイミツ」も似た構成でした。
MIERUCAはどんなプライシング?
◆プラン名
・エキスパート
・プロ
・スタンダード Plus
・スタンダード
◆特に良い点
プラン一覧・ご利用料金ページから特に参考になると思った点を少しばかり紹介します。あくまで主観ですが、コメントも挟んで行きます。
・「こんな企業様にお勧め」
具体的な推奨基準があるため、どのプランを選べば良いのか分かりやすいですね。自分に関係のあること(自分ゴト化してもらう)、そう思ってもらうことはマーケティングにおいてとても重要です。
・スタンダードプラス(一番人気)
分かりやすく「一番人気」が表示されていると、どのプランを選べば良いのか分かりやすいです。飲食店のメニューに「当店一番人気!」と書いてあると、ついついその商品を頼んでみたくなる気持ちと一緒です。
※参考:
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Holmes|電子契約・契約書管理サービス
Holmesとは:Holmes(ホームズ)は、契約書の作成、締結、管理など、契約書にまつわる業務の全てをスムーズに解決する契約に特化したデジタルプラットフォームです。各社毎に異なる契約オペレーションの課題を全て解決いたします。
株式会社Holmesが提供しています。
今まで「ホルメス」と読んでいました...。恥ずかしい...。
Holmesはどんなプライシング?
シンプルな料金プラン表ですね。
◆プラン名
なし
◆コメント
料金表の見せ方に関しては、一概に「どちらがおすすめですよ!」とは言えません。各企業の戦略・フェーズ等、様々なバックグラウンドに依存すると考えているからです。
参考程度に、料金表をざっくり2つのパターンに分類し、個人的考えを述べていきます。
①料金をこと細かに明示するパターン
②明示せず、とりあえず問い合わせしてもらうパターン
①の場合、メリットはこんなところでしょうか。(※ 仮説です)
問い合わせ対応コストが減る:自社の人的リソースに対して対応できないほどの問い合わせがある場合、料金表の価格は明示しておく方が良いと思います。
「このサービス、いくらなんですか?」と何度も問い合わせが来たとき、少人数体制では対応に追われてしまうでしょう。(もちろん問い合わせを頂けるのは嬉しいです。)
たとえば、次のような場合には料金を明示するパターンが合うのかもしれません。
・フリーミアムモデルのサービスで、Webからすぐに登録/利用できる場合
・とりあえず無料トライアルしてもらいたい場合
※ 参考:formrun|無料で使えるメールフォームと顧客管理
※ 参考:SmartHR|シェアNo.1のクラウド人事労務ソフト
②の場合、メリットはこんなところかなと。
・ホットリード(見込み度の高いリード)を抽出しやすくなる?:
料金への問い合わせをする人は本気で導入を検討しているケースが多いので、ホットリード(見込み度の高いリード)である可能性が高いです。こと細かに料金表を見せせずに「興味ある人だけ、ダウンロードしてね、あるいは問い合わせてね」というやり方もひとつの手でしょう。
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backlog | プロジェクト管理ツール
backlogとは:backlog は組織のプロジェクト管理を一箇所にまとめます。タスク管理機能、ガントチャート、バージョン管理、Wikiなど、まずは無料で使用感をお試しください。
福岡に本社を構える株式会社ヌーラボが提供しています。
トップビューの一番目立つ箇所に、「プランと料金を見る」のCTAを置いているケースはなかなか見かけませんね。珍しい気がします。
backlogはどんなプライシング?
ご覧の通り、パッと見で5つのプランがあります。ただ、よくよく見るとフリープランがひっそり存在しているので合計6つです。
◆プラン名
・フリープラン
・スタータープラン
・スタンダードプラン
・プレミアムプラン(おすすめ)
・プラチナプラン
・オンプレミス型エンタープライズ
◆特に良い点
・おすすめ訴求
MIERUCAのときと同様です。おすすめ訴求があると選びやすくなります。自社が最も売り出していきたいプランをおすすめにするのも、最も売れているものをおすすめにするのも良いでしょう。どちらにするかはその会社次第かと思います。
・お支払い料金シミュレーション
backlogのように複数プランがあり、かつお支払い方法にも複数パターンが存在(クレカ・銀行振込)する場合、料金シミュレーションがあると便利です。
一見、「見積もり書ダウンロードのためにメールアドレスを記入する必要があるのかな?」と思ったら、郵送でした。何か意図があるのかもしれません。
ところで、支払い方法をクレカ対応にしかしていないところもあると思うのですが、Donuts社のジョブカンは支払い体系を工夫したことも良かったことの一つだと挙げています。
こちらの記事、いろんな施策が語られていて面白いのでおすすめです。
◆思ったこと
シンプルに疑問だったのですが、プレミアムプランとプラチナプランは何が違うのでしょうか。(disりの類ではありません!)
と、思っていたところ...。「全ての機能の違いを見る」を押すと、機能詳細が展開され、その違いがようやく分かります。うーむ、なるほど👮♂️
「ユーザーはそんなにしっかりWebページを読まない」前提から考えると、赤枠で囲ったテキスト部分の時点で「プラチナプラン」と「プレミアムプラン」で違いを明示する方が良いかなと、個人的には思います。
【おまけ:その他に面白いと思った点】
backlogは、30日間の無料トライアルに申し込まないと資料のダウンロードができないそうです!
僕の知る限りでは、無料トライアルとは別導線でサービス資料ダウンロードなどのCTAがあるところが多いと思うので、珍しいなぁと。
「資料ダウンロードよりも、まずは実際にうちのプロダクトを使ってみてください!」といった思いが伝わってきます。
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利用料金をウェブでは公開しない事例も!
プログラミング不要のアプリ制作ツール「yappli」では、ウェブサイト上には利用料金を公開していません。
代わりに存在するのは、
・お問い合わせ
・今すぐ資料請求する
・今すぐ問い合わせる
という導線(コンバージョンポイント)です。
高単価プロダクトの場合、利用料金の詳細は見せず、
・お問い合わせ/資料請求→リード獲得
・インサイドセールスなどがリードナーチャリング→アポ獲得
・詳しいことについてはセールスが商談で説明
というのが良さそうだと思います。
こういった料金表の見せ方一つとっても、自社プロダクトがどこをターゲットにしているのか等でやり方が異なってきます。そのため、繰り返しにはなりますが一概に「ここのやり方が正解です。」とは断定できません。施策の数を打ってどんどんトライしていくことが大事だと思います!
料金表ページ施策 まとめ
軽くまとめてみると、こんな施策がありました。
・おすすめのプランを明示する。
・2つ以上プランを用意する。
・クレカ以外にもお支払いプランを複数設ける。
・料金表の詳細と機能表をセットに。
・料金シミュレーション
・見積書ダウンロード
・料金表を非開示
自社でも取り組んだ方が良いなと思うものは、ぜひトライしてみてください。
参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました!
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