日本はSaaS王国へ。B2Bベンチャーのチャンスとチャレンジ |#イベントレポート
こんにちは。金森です。
9/20日・9/21日に開催されるTech In Asia Tokyo 2018に行ってきました。
本日のnoteは、9/20日に行われた分の1つのコンテンツのレポートとなります。
セッションのタイトルは、
『日本はSaaS王国へ。B2Bベンチャーのチャンスとチャレンジ』
というものになります。
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モデレーター / 登壇者プロフィール
・モデレーター:倉林陽 氏(Draper Nexus Venture Partners Managing Director)
・登壇者①安部 泰洋 (株式会社フロムスクラッチ CEO)
・登壇者②庵原 保文 (株式会社ヤプリ CEO)
・登壇者③宮田 昇始 (株式会社SmartHR CEO)
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はじめに簡単なサービスの紹介をお願いします。
庵原氏
「ヤプリは、アプリをドラッグ&ドロップでつくれるSaaS。いま創業5年目。300社くらいに導入してもらっている。現在はエンタープライズ向けSaaSに近い。」
宮田氏
「SmartHRは、バックオフィス系のSaaS。労務周りなどの面倒な作業を効率化。最近、機能面などで多角化を初めている。16,000社くらいに導入して頂いている。」
安倍氏
「b→dashは、エンタープライズ向けSaaS。最近では、小規模の企業さん向けにもサービスを提供している。」
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そもそもなぜこの市場を選んだ?
庵原氏
「マーケットペインとか何も考えていなかった。会社員の時から開発していた。とにかくスタートアップがやりたかった、とにかくプロダクトを自分で作りたかったからマーケットとか見ていなかった。2011年ぐらいに共同創業者とブレストをよくしていた。ある日、知り合いから「こんなアプリを作りたいんだけどアプリ作れない?」という依頼があり、それも似たようなアプリの依頼が複数回あった。その時、CMSでサイトを簡単に作れる様に、簡単にアプリ作れたら最高だよねとなった。調べたらグローバルでも誰もやっていなかった。完全にプロダクトアウトだった。今思えば、個別に作るのではなくプラットフォームを作るという前職のヤフーでの経験が生きた。
宮田氏
「起業したいというより、Webサービスつくりたいよね、となった。実は何度もピボットしており、SmartHRに行き着いたのは12個目くらい。自宅にいた妊娠中の妻が抱えているペーパーワークがとても面倒そうだった。それをきっかけにペインのデカさに気づいた。日本はペーパーワークが多い、いまだにFAXが当たり前に使われている現状。
安倍氏
「私は、マーケットペインは考えた。マーケットの課題2つに着目した。
昨今、大手やベンチャーに拘らずデータをいかに活かすかが語られる時代。
1つ目のペイン、いざ会社がデータ使えるかとなった時、「データをすぐに使えるのか?」というもの。データサイエンティストとかアナリストは、ほとんどの会社にはいない。そうなると、SIerとかに数億で頼むとかになっていた。データを使わないと生産性が上がらないのに、データが使える人がいないという課題があった。
2つ目のペイン、それはデータを使うためにいろんなツールを使わないとデータ活用できなかったというもの。ツール費用だけで数百万円以上とか使っていた。世界からSQLなんか消えればいいということで、GUIでデータを扱えるようにした。誰でも使えて、1つのツールで完結できるようにした。」
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プロダクトどう作っている?どういう風に工夫している?
安倍氏
「一番大切にしているのはUI/UX。使いやすさにかなりの投資をしている。アプリでは、ユーザーがインストールしてから7分間の間に使いにくいと思われればそのアプリはアンインストールされ、二度とインストールされなくなるということがデータとして実証されている。但し、アプリは通常無料だから会社に不満が来ることはない。但し、B2Bではそれは違う。B2Bのプロダクトは、営業の担当者などが人として担保しているので、そのサービスが使いにくかったらダメ。サービスの使いにくさを、カスタマーサクセスや、サポートセンターとかで対応するのではなく、説明書もないのにスラスラ使えるiPhoneのようにUI/UXを高めている、それが非常にこだわっているところ。
宮田氏
「昔からSmartHRと似たような趣旨のものはあったが、とにかく使いにくかったのでSmartHRは使いやすさにこだわった。当初の想定では元々50名くらいの企業さんが対象であった。導入企業の規模さんや事業者数など壁を乗り越えていけのは、地道な積み上げ。顧客の要望に応えてアップデートを続けた。その中で中々超えられない壁が二回あった。1回目は1000名以上の企業さん、10000名以上の企業さん。超えるべきなのか超えないべきなのか全社で決めている。」
庵原氏
「SMB(中小企業)の時は簡易さにこだわった。そのあと、エンタープライズ向けに広げている。
マジでイケてるアプリを作るなら、我々ではなく高いベンダーに発注した方がいいと、言っている。私たちの強みは、アプリのベストプラクティスを持っていること。イケてるアプリのイケてる機能が現れたら、それを一歩遅れてもヤプリ上でも実装できるようにしている。一歩遅れて、ベストプラクティスの機能を実装することで、とにかくチューニングしている。
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お客さんの層が変わると、CSも変化する?
安倍氏
「既存のクライアントを切り分け。集合研修、個別相談会、クライアントの行動に合わせて各チームにオペレーションを決めている。」
※ 申し訳ありません。庵原氏と宮田氏の話はメモを取り切ることができませんでした。
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今後のワイルドビジョンは?
安倍氏
「今まではデータのリレーションの処理、スピードを充実させてきた。これからのことは話せる範囲で簡単に言うと、B2C領域でのプロダクトをつくる。今まではFacebookなどの企業に勝手にデータを使われていたが、これからはデータを資産として売買することを想定している。」
宮田氏
「顧客拡大、ニーズ多様化。そのために、今は拡張アプリをたくさん作っている。理想としてはAppleのApp Storeのように、拡張アプリストアを作りたい。外部ベンダーにも開放して、呼び込んでプラットフォームのようにしていきたい。また、ゆくゆくはHR系のSaaSを育成させることにも興味がある。」
詳しくはこちらの記事を参照に。
庵原氏
「スプラトゥーン戦略。面を広げること。実はアプリで解決できるものってたくさんある。やれること無限にある、いつか何でもできるところまでやっていきたい。水平展開型SaaSなのでそこにフィットするところをやっていきたい。あと、グローバル展開。SaaSは言ってみればグローバル化が楽。極論、管理画面を翻訳すれば良いから。」
以上です。
▼登壇者の方の企業さんのサイト
①株式会社フロムスクラッチ
②株式会社ヤプリ
③株式会社SmartHR
三企業、どれも個人的に注目しているサービスなので面白かったですね。
フロムスクラッチがB2C領域にも広げようとしていることが個人的には一番の驚きでした。
あと、つい最近Twitterで見ましたがSmartHRがエンジニア向けの体験入社制度を始めたそうですよ。
最後となりますが、「TIA Tokyo 2018」、9/21日にも開催しております。
もしよろしければご来場ください!
それでは、今回のnoteは以上となります。
最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。
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