読書感想文 夏目漱石 坊っちゃん
明治のスクールハラスメント
夏目漱石作品を読んで3冊目、やっと主人公が働いた。文章も軽快で全体的に皮肉っぽく、小説としては短い。私には面白くて読んでいて笑いそうになった。漱石はやけになって書いたんだろうか。実体験に基づくとされているから、この状況で嫌になるのはごもっとも。ハラスメントが昔も今も変わらず存在するのはつまり、人間とは結局は他人を蔑むという貧しい行動でしか己を満足させられない愚かしさを根っこに持ってるってことだろうな、と思いため息をつく。
多分、夏目漱石は労働に従事することが性に合わない人なんだろうと思う。働いた途端にあんなに尖った文章を書いて、小説としては早々に切り上げているのだから。精神の孤高を極め思想を追求することこそが漱石にとっては至高だったのではなかろうか。
夏目漱石はやはり面白いし4冊目以降も読んでみたいと思った。文章は読みづらくないとはいえ、やはり古い表現が少し負荷にはなるので、現代の本を読む合間に読みたいと思う。
今度の主人公は働いているだろうか。