コーチングとは、「経験学習」の支援
新たなクライアントさんに改めて「コーチング」についてご説明する機会も増えてきたので、改めて整理・言語化してみようと思います。
コーチングの目的や意義とは
コーチングの意義とはズバリ、「内省の支援」だと考えています。
ある研究によると、社会人(成人?)はおよそ70%を自らの経験から学び、他者からの教えが20%、残り10%は本や研修から、と言われています。つまり、人間(成人)はほとんど自分の体験や経験から学んでいる、というか「経験しないと学べない」ということです。
一方で、「ただ経験するだけ」では「学び」を得ることはできません。
有名な図ですが、アメリカの教育学者David Allen Kolb(デイビッド・A・コルブ)さんが提唱した「経験学習モデル」というものがあります。
「転んだ」だけでは学びにはなりません。「なぜ転んだのか(内省)」、「●●したら転ばないかもしれない(概念化する)」、「教訓を生かしてまたやってみる」、ここまできてようやく「学び」になります。
という学習サイクル自体は全ての人が経験しているものだと思います。うちの4歳の息子ですらやっています。こんな感じ↓
ただ大人になると「経験」の総量自体が増えてきますので、いちいち内省するのもやっかいです。
また、これが非常に大事なところなのですが、人間に備わっている、普段は便利な機能として「認識の固定化」というものがあって、「●●=△△だ」と解釈する機能です。この機能は普段はとても便利なのですが、この機能によって「この経験はあの時と同じこれだろう」と無意識に経験を処理してしまっていると、そこから学びを得ることはできません。
長くなりましたが、コーチングはまさにこの経験学習サイクルを回すお手伝いをする方法です。特に「経験→内省」のプロセスにおいては、先に述べた通り「認識の固定化」によって、一人で行うには限界のあるプロセスだと思いますので、コーチと共に経験を内省し、言語化していくことが有効かと思います。
余談ですが、ユニセフが発表したレポートによると、子供の幸福度ランキングではオランダが1位に選ばれています。というか2013年ぐらいからのデータでずっと1位みたいです。※日本は残念ながら?20位。
オランダはコーチング大国と言われていて、1社に2,3人社内コーチがいたり、学校教育もコーチング的で、チャイムが鳴らない、宿題が無い、小学校も自分で留年するか選べる、等々、幼少期から自分で決める習慣が身についており、またそれを支援する仕組みもできているそうです。
前回のnoteにも書きましたが、「自分で考えて決める」ということは極めて重要なことですし、その重要性を理解しているからこそ「内省」の重要度を理解し、「内省」の難しさを理解しているからこそコーチング/コーチの重要性が高まっているのかな、と思いました。
ということで、こうして書いてみるとコーチング、というか「内省」であったり内省を通じた「自己理解」のプロセスが非常に重要だな、と思いますし、日本でももっとコーチングという機会が広まると良いな、と思います。
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