重度肥満おじさんの減量①
私は45歳にして、身長170センチ、体重160キロ。
物心ついた時から太っていて、一日たりとも普通体型だったことはない。
しかしながら、血圧は少々高いものの、血糖値とコレステロール値は低く、この体型と年齢でありながら糖尿病とは無縁だった。なので、食事制限等は特になく、いつも食べたいものを食べることが出来ていた。
が、ある日の事。生命保険の契約更新があり(私の保険は2年に1回、金額の見直しがあるタイプ)、その時に出された見直し月額が18,000円から24,000円と3割以上も値上がりしたのである。しかも、保障内容が下がった状態で。保障内容が上がって3割増ならまだ納得できるが、保障内容が下がっているにも関わらず3割増とは到底納得できない。保険会社に連絡をして経緯を伺ってみたら、このような回答が返ってきた。
「今、仮に病気じゃなくても、これから病気になるリスクが非常に高いと判断されているので、こればっかりはどうしようもないです」
同じ月額で補償内容をさらに下げたとしたらどうなるか聞いてみたら、ほとんど丸裸の状態で、いっそ解約した方がマシと思われる内容だった。
「ああ、神様仏様保険会社様、どうにかなりませんか?」
と、ダメもとで聞いてみたら、ひとつだけあるという。ただし、値下がりするのは次の見直し時期の2年後になるらしいけど。で、そのひとつだけの方法とは…、そう、減量して体重を標準体重近くまで戻せば、見直し前までの金額どころか、それ以上に安くなるというのだ(見直し前の月額でも標準値の方々よりも3割以上高い)。
うーん、どうしようか…。少し考えてみた。
かつて、肥満を3つの時期に分けた医学者がいたことを思い出した。
① 「滑稽期」
② 「憎悪期」
③ 「同情期」
最初は「滑稽期」といわれ、指をさされて笑われたり、走ったり跳んだりと何かをしている時の姿がコミカルに映り、笑われる時期の事だ。
それが次第になぜか憎たらしく映り、「憎悪期」に入る。私も経験者だが、太っているという事だけでいじめられたり、仲間外れにされたりするといった時期の事だ。
そして最後に「同情期」。例えば、普通に歩いていても「大丈夫?」などと心配そうに声を掛けられたり、何か手伝おうとしても、「何かあったら声をかけるから、〇〇君はそのまま休んでいて」と、戦力としてカウントされず、却って気を遣われたりと、相手からは「気の毒そうなヤツ」として映ってしまっている時の事だ。
本当にうまく分けた人がいるんだなぁと、人ごとの様に感心してしまうが、まだ滑稽期の時はいい。みんなから愛されるキャラクターも兼ねる事もあったりする。それが、憎悪期になると何も悪いことをしていないのに、悪者扱いされたりして一気に谷底に落とされた気分になる。で、最後の同情期は時と場合によっては人として扱われない事もある。
まぁ、デブなんて病気に罹患したり、何かしら薬の副作用などを除けば、大多数が自己管理が出来ていない証拠(幼少だった場合には甘やかされ過ぎだと思う)だから、仕方ないことだと思うけど、さすがに同情期に入っている私が久々に人間扱いされたと思ったら、保険料の値上げの話だったからこれはさすがにマズいと思って減量する事にした。
デブらしく、どうせやるなら「ツライ思いはしたくない」「運動したくない」「あんまりお金かけたくない」のナイナイ尽くしで減量を始める事になった。
続きはまた今度。