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【初心者珈琲屋店員🔰の日常】四日目

専門店であるということ

わたしはこの珈琲屋に勤め始めるとき、「カフェで働くのだ」と思っていた。
もちろん、珈琲豆についての知識が必要である、とか、コーヒーマシンを扱えるようにならねば、ということは勤務前から重々理解していた。
し、それについて自分は初心者であるため、赤ちゃんのような、なにも知らないまっさらな気持ちを持って全部吸収するのだと意気込み、勤め始めることを決断した(この意気込みは今も継続して思っている)。

「ここは珈琲豆専門店だからね」
ある時、店長の言った言葉にどきりとした。

「カフェで働くのだ」。

そう思っていた、ただ憧れに飛び込んでワクワクしていた私の心を、鋭い目線で見つめられた気がした。
むろん、ワクワクする心のまま飛び込むことは悪ではない。むしろ、“考え“、“決断“し、“行動できた“ことは、120%賞賛に値する。
それにプラスして、これからは珈琲豆専門店の顔になるのだ。

私にひとつ、覚悟が生まれた瞬間だった。

気配り

店長の接客を学んでいる際、気配りが随所に散りばめられている、と、驚くことが幾度もある。

例えば、珈琲豆とコーヒー(ドリンク)をテイクアウトされたお客様。手が埋まってしまうことがあるためドアを開ける/閉める。
隣にある雑貨屋さん(雑貨屋さんのお話はこちら

 https://note.com/suilaaa00/n/ne0e95730af7f )

に興味がありそうなお客様。ドリンクはあとで作ることも可能だとお伝えする(ホットだと冷めてしまう/アイスや氷は溶けてしまう)。
珈琲豆を100グラム購入されたお客様。その豆を挽くと殻が出るため、100グラムと+少し、足してお渡しする。
試飲用のコーヒー。レジ前で味をみるために飲むだけなので、ひとくちで飲み切れる量をお渡しする。(試飲用のコーヒーがたくさん余るのが寂しく、多めに注いでしまっていた。このお話は

 https://note.com/suilaaa00/n/n4069d15b2d1f )

接客をする上で、これらはもしかしたら基本中の基本かもしれない。
けれど、今の私には経験上足りていない/学びたいと、正に強く感じていた部分だった。(文章にまとめてしまうとあっさりするのだが、気配りのある接客についてはほかに勤めていた際、ずいぶんと悩んでいた。)

一つずつ、まずは店長の言葉を得て実践するところから、始めてみようと思う。

じゃあ、問題です

わたしの働く珈琲屋にはポイントカードがあって、そのカードには勿論様々なパターンが存在する(◯◯を1コ買ったら1ポイント、◯◯の場合は2ポイント、など)。
それらをひと通り教わったあと。


「じゃあ、問題です」
店長はそう言って数種類の商品をレジに置く
店内には丁度、お客様はいない。
「ジャージャンッ」
わたしは続けてみた
どんな反応されるかな、と半分伺いながら。
「ジャージャンッ」
店長もそれに続く。

わたしは店長の、こういうところが少し好きだ。

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