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獲物の分け前~チューリップ『LIVE ACT TULIP 1973-1979』編その3

 今回はチューリップのライヴ・アンソロジー『LIVE ACT TULIP 1973-1979』からのCD3回目です。
ついに1979年のライヴとなってしまいましたね。
この前年、1978年にはチューリップの歴史に残る鈴蘭高原と田園コロシアムでのライヴがありまして、リアルタイムでは『LIVE!! ACT TULIP VOL.3 鈴蘭&田園ライヴ!!』として発売されています。
ブックレットによりますと、アンソロジーを出すことになり、この2つのライヴのマルチ・トラックをかなり丁寧に探したらしいのですか、発見できなかった、とか。

 『LIVE!! ACT TULIP VOL.3 鈴蘭&田園ライヴ!!』も大好きだったので、いつの日かマルチ・トラックが発見されて発売してほしいものです。

じゃ行ってみよー。

・チューリップ『LIVE ACT TULIP 1979 8 BIG CITIES』(SHCS-514~516/シンコーミュージック)

 このアルバムは1979年に行われた“8周年記念8大都市コンサート”の8月11日の中野サンプラザでの公演を収録したものです。 
何で8大都市コンサートだったのか深く考えてなかったので、ライナーを見て初めて気がついた私です。

 オープニング・ナンバーは「魔法の黄色い靴」。反応でわかる通り、かなり意表をついたものだったのでした。
「心の旅」がライヴの定番曲ではなかった話はしましたけど、実は「魔法の黄色い靴」もライヴの定番曲ではなかったということなのです。チューリップのキンキーさはこういうところにも出ていますね。
この年に発売されたシングル「虹とスニーカーの頃」は久々のヒット曲になり、人気番組「ザ・ベストテン」にランクインしました。
故にアルバム『Someday Somewhere』は2枚組にも関わらず好調な売上となったのです。

 この8大都市コンサートは「虹とスニーカーの頃」や『Someday Somewhere』のヒットがあったからか、かなり盛況だった模様です。
ただ、『Someday Somewhere』が2枚組だったからか、ライヴにおける定番曲の割合が低くなってしまってましたね。
そういう意味ではライヴの盛り上がりにシングル・ヒットが果たした役割は大きかったと思うわけです。

 そして、このコンサートはずっと活動してきたメンバー5人のみでのライヴは最後になってしまったことを付け加えておきます。
ドラムスの上田雅利さんは新しいバンド(TONY)の結成に向けて動いていて、ベースの吉田彰さんはミュージシャンを止めることになるのでした。
特に吉田さんはバンド内での自分の位置というか、人間関係に対する不満などもあった模様です。。
結局、吉田さんの脱退後は他のメンバーとの交流はなくなった模様ですし。。

 にもかかわらず、長尺のライヴを毎回毎回続けたということはもっと評価されるべきでしょう。
それに『Someday Somewhere』の前のアルバム『Upside-down』からの演奏曲の多さなど、まだまだ興味深いことがあります。
反面、アンコールで初期の楽曲を多く取り上げていたり、と。
この辺を含めて、明日はチューリップのライヴ・アンソロジー『LIVE ACT TULIP 1973-1979』の最後のアルバムを取り上げる予定です。お楽しみに。

 ではまたー。


 


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