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BOX/Temptation Girl~隠れ名曲、名演コレクション。

 川島なお美さんの「泣きながらDancin'」を取り上げた時、迷いに迷った日本のスーパーグループとは彼らのことだったんです。
多分、杉真理さん「Key Station」の次には普通ならこっちですよね。

 でも、普通ならというのが嫌いなわけではありませんが、ちょっとひねった選曲を心がけているので、あの時は川島なお美さんを選んだというわけです。

 ちなみに今回、この曲を選んだ理由は前回に関係するスターダスト・レビュー「はっきりしようぜ」のエンジニアが飯尾芳史さんだったからなんですねー。らしいでしょ?
で、BOXにおいては、飯尾さんはエンジニアであると同時にドラマーでもありましたから、数曲ではドラムをプレイし、あの独特のサウンドの確立に貢献しているのが非常に大きい、と。

 杉真理さん、松尾清憲さん、小室和之(和幸)さんに田上正和さんによるBOXは、ライヴだとドラムスが島村英二さんにキーボードは小泉信彦さんが加わるバンドそのものでした。
ついでに言いますと、島村英二さんは泉谷しげるさんの『80のバラッド』にも参加しています(ちなみに島村さんと泉谷さんとはラストショー時代からの関係ですね)。


杉さんが松尾さんに一緒に曲を作ろうと誘ったのは1987年の秋だったと記憶しています。
当時、松尾さんはLIVE INNでマンスリー・ライヴをやっていて、11月のゲストが杉さんだったのです。
その日は会場に小室さんと田上さんもいらしてましたね(ちなみに10月のゲストは白井良明さんで、12月は鈴木慶一さん、鈴木さえ子さん、一色進さん、ケラさん、岩田麻里さんに有頂天という豪華版でした)。

 1987年に入ってから、杉さんのライヴに松尾さんがゲスト出演するようになったんですよね。
ここではお馴染み1985年発売の「ミュージック・ステディ」別冊「FILE」のインタビューで、杉さんは松尾さんについて言及していたんですね。

・「ミュージック・ステディ別冊 Vol.5 FILE」(ステディ出版)

 松尾さんのマンスリー・ライヴではビートルズの曲を取り上げただけだったのですが、実はその時点では既に二人で曲を書いていたというわけですね。
「And Your Bird Can Sing」、「All You Need Is Love」に「She Loves You」を演奏していた記憶があります(「All You Need Is Love」のエンディングから「She Loves You」になだれ込む形でした)。
ちなみにBOXになってからはビートルズの曲をなかなか取り上げなかったような印象が強いのでした(桑田佳祐さんがゲストの日清パワーステーションの時は例外でしたね)。
確かそのライヴではまだ二人で曲を書き始めたことは言ってなかったように思います。

 つまり、ライヴを観た段階では好きなミュージシャン同士が交遊を深めたんだな程度にしか思ってなかったわけですよ。

 年明けてからぴあとパナソニックが汐留に新しいライヴ会場を作って、そこでBOXがライヴをやると発表されたのでした。
その時はまだ杉真理 with BOXという名義ですが。

 松尾さんのファンにはどうやら杉さんと松尾さんにドリーマーズの田上さんと小室さんで何かやるらしいという程度の情報は入ってきていたんです。
そして、BOXとしてのファースト・シングル「風のBad Girl/Temptation Girl」を4月21日に発売しました。このシングル、CDシングルと7inch盤だけではなく、カセット・シングルも出ていたんですよね。最近知ったのですが。
そして、CDシングルのアダプターを持っていなかった私は、数年間このシングルを聴けなかったのでした。。

その時期、松尾さんがegg-manでライヴをやって、杉さんが飛び入りして「風のBad Girl」をやったような記憶がありますね。

・BOX「風のBad Girl/Temptation Girl」(07SH3042・アナログ、10EH3042・CD/CBSソニー)
画像をタップすると、「Temptation Girl」のP.V.を見ることができます。

 アルバム『BOX POPS』は5月5日発売だったけど、G.W.中ということがあって、CD屋さんに入荷したのは4月下旬だったのでした。
月末ということで、購入するのに非常に苦労してしまった私です。
 で、アルバムを聴いたら、とにかく1曲目の「Temptation Girl」がカッコいい!と思ってしまいました(シングルはアダプターがなくて聴けなかった)。
他に好きだったのは「人生はコーンフレーク」、「ヒットメーカーの悲劇」に「What's Time?」と財津和夫さんがゲスト参加していた「Crazy Afternoon」とかでしたね。

・BOX『BOX POPS』(32DH5039/CBSソニー)
BOXのファースト・アルバム『BOX POPS』のオリジナル盤。「Temptation Girl」収録。
画像をタップすると、「What's Time」~「Temptation Girl」のライヴ映像を見ることができます。

 確か5月中旬に大宮フリークスでのライヴがあって、汐留PITは5月下旬だったかな?
フリークスは歓楽街にあって、なかなか行きづらかった場所でした(杉さんのMCで「困ったな、でもその近くにあったキャバレーが『ロンドン』という名前だったのが救いでした」というネタがありましたね)。
PITは想像よりも広い!というのと、ずっとエアコンの音が響いてるし、新幹線が通るとうるさい!という印象があります。
それと、この時点では杉さんと松尾さんのソロの曲もレパートリーに入っていたのでした(「アニーよ目を覚ませ!」や「穴の中で僕たち」に「ムーンライト・ランデブー」を演奏しましたね)。
そんな中でも小室さんのベースの音や田上さんのギターの音はしっかりとレコードに近い音だったのです。
後にBOXのセカンド・アルバムに収録される「Roxy Queen」もツアーで演奏されていて、カッコいい曲だなと思ったのでした。

・「BOX POPS TOUR」パンフレット。吉原聖洋が編集に参加。  

 このライヴにはパンフレットがあったんですよね。
「ミュージック・ステディ」でお馴染み吉原聖洋さんが編集に参加してます。多分、実質的編集長だと思います(最初にクレジットされているのと、他にクレジットされているのは杉さんと松尾さんのマネージャーさんなので)。

 ちなみに十数年前のTVK「ライブ帝国」でも、この「Temptation Girl」が放送されているなんて、偶然にも程がありすぎです。
強調しておくのは放送されたのはシングルのメインである「風のBad Girl」ではなく、「Temptation Girl」だったということなんですよ。

 BOXの活動はまだまだ続きますが、「Temptation Girl」の衝撃という意味ではこの時期くらいまでなんですよね。すみません。
BOXに限らず松尾清憲さんや杉真理さんについては隙あらば書いていくつもりですので、お楽しみに。

 それと、noteに関しては名曲、名演コレクションは5日続けて、本や雑誌についてと交互に書いていく予定としました。
思いつきなので、変更するかもしれませんが。

 また長々と書いてしまったので、とりあえずこの辺にします。明日何を取り上げるかは全くの未定です。

 ではまたー。

 

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