獲物の分け前~チューリップ『LIVE ACT TULIP 1973-1979』編その4。
このところ、チューリップの記事が続いたので、新しくフォローしてくださったり、読んでくださった人が多いみたいで嬉しいです。
チューリップのライヴ・アンソロジーは友達に焼いてもらったのを持っていましたが、こうしてちゃんとした盤で聴いてみると、自分で買ってよかったなと実感してます。
それにライナーの充実ぶりも嬉しいですね。
じゃ行ってみよー。
・チューリップ『LIVE ACT TULIP 1979 GOOD BYE 70'S』(SHCS-517~519/シンコーミュージック)
これは宮城伸一郎さんが正式に加入して、6人編成になった時期のライヴですね。
確かリアルタイムで「週刊FM」に6人が白ずくめの服で椅子に座っているアーティスト写真が載った記事で、宮城さんの加入を知ったという記憶があります。
その記事でもギターやキーボード、ベースといったマルチ・プレイヤーとして入ったとか書いてあったはずですね。
ARBについては触れていなかったような。。ちょっとこの部分は曖昧になってしまってますね。すみません。
で、このアルバムでは宮城さんはギター、キーボードにパーカッションとベースを担当してます。
このアルバムのオープニング「アフリカは午後0時」や2曲目の「二人だけの夜」ではパーカッションですね。
個人的にはパーカッションがあまり効いている感じがしなかったのでしたが。。
宮城さんはベースの吉田彰さんが脱退すること前提での起用だったことは明らかで、多分細かい事情を知らなかったであろうドラムスの上田雅利さんは「本来ベーシストなのに大変だな」と思っていたとか。。
ただ、安部俊幸さんと姫野達也さんの名曲「電車」ではスラップベース(当時はチョッパー奏法と呼ばれていましたね)を炸裂させています。
吉田さんは基本ピック弾き中心だったので流行りのベースを弾くタイプではなかったと姫野さんが(単行本「ANTHOLOGY 2」で)回想していました。
割と財津和夫さんは流行りの音を導入するのに抵抗があまりないミュージシャンでしたし、要求も結構高いタイプだったことも吉田さんにとっては不本意だったかもしれませんね。。
このアルバムでもアルバム『Someday Somewhere』からの曲中心のセットリストです。
クリスマス・ライヴということで「きよしこの夜」やアルバム・タイトル曲の「Someday Somewhere」を節目節目で演奏しているのがいかにもです。
この一週間後には財津さんのソロ「WAKE UP」が使われたCMが放送されるようになりましたから、チューリップ自体が転換期を迎えることになったのでした。
それだけCMのインパクトがありましたし、頻繁に放送されていましたね。
宮城さんによると「WAKE UP」のインパクトで新しいファンが増えた時期だったのが、加入した時期と被ったのでスムーズに参加できたというコメントを残しています。
これは多分、ドラムスの伊藤薫さんが強く感じたことでしょうね。
ちなみに伊藤さんがチューリップにフィットするんじゃないか?と推薦したのは上田さんだったとか。。
・チューリップ『LIVE ACT TULIP 1979 GOOD BYE 70'S』収録曲
宮城さんと伊藤さんが参加した初期の大きなライヴは『LIVE!! ACT TULIP SUZURAN 2』なんですが、その日のセットリストはオープニングの書き下ろしの新曲「Shooting Star」以外は『Someday Somewhere』からの曲と代表曲中心だったのが興味深いところです。
個人的には『LIVE!! ACT TULIP SUZURAN 2』の再発をしてほしいところですが。
あのライヴはリアルタイムで写真集を買ったりして、思い出深いアルバムなのでした。
チューリップのライヴ・アンソロジーについて5日続けて書くために、CDをじっくり聴いたら色々と考えたり思い出したりで、楽しい時間を過ごせました。ありがとうございます。
そして、ブックレットがとにかく面白いのですが、このアルバムについてはかなり詳しく触れているのが素晴らしいです。
読みながら、何度も唸ってしまった私でした。
明日から何を書くかは完全に未定です。お楽しみに。
ではまたー。